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仮面ライダーW 第42話 『 Jの迷宮/ダイヤモンドは傷ついて』

胸を踏みにじるジュエル・ドーパントを跳ね退けて足の下から逃れたCJエクストリームは、地面に転がっていたプリズムソードとビッカーシールドに飛びついた。だが、体勢を立て直す間もなく、ジュエルの容赦ない攻撃がを襲う。

その時、両者の間を一陣の風が吹き抜けた。トライアルとRナスカ。彼等は超高速の世界で激しい戦いを繰り広げながら、偶然にもこの場所に戦いの場を移して来たのだった。への攻撃を思いもよらない者達に邪魔されたジュエルは、忌々しそうにトライアルとRナスカを睨んだが、すぐにに向き直った。

「もうすぐ最後の仕上げ…それで総て終わる…!!」

…なに?翔太郎はその言葉に何か引っかかりを覚えた。最後の仕上げ…という事はこれまでの一連の事件は、何か目的を持って計画的に行われていたものという事なのか。
CJエクストリームはジュエルに向けてビッカーファイナルイリュージョンを放った。4色の閃光はしかしジュエルが作り出したシールドに弾き返され、ばかりではなく、その場に居合わせたトライアルやRナスカも巻き込まれて被弾し、手酷いダメージを受けた。皆一様に変身が解け、地面に転がって呻き声を上げる。
ところが、仮面ライダー2人にとどめを刺す絶好のチャンスだというのに、ジュエルはまたしても攻撃を止めてその場から姿を消した。

ライダーズもろとも吹っ飛んで戦いを中断された冴子は、憎々しげに竜を睨んで立ち上がった。

「お前との決着は…必ずつけてやる…!!」

そう言い捨てると、冴子は鋭い瞳で睨み返す竜に背を向け立ち去っていった。
翔太郎とフィリップはジュエル・ドーパントが消えた空間を睨んでヨロヨロと立ち上がった。

「翔太郎、ジュエルの言葉を聞いたかい?」
「ああ…最後の仕上げ…どういう意味なんだ…。」



亜樹子の「私聞いてない!」は久々に聞いたような気がしますね。

先週放置されていたトライアルとRナスカは、戦いながらとジュエルの戦いの場に乱入して、結果的に双方の戦いを中断させた形に。そうかそういう使い道(←!?)があったか!と。

実は冒頭でジュエルの足の下から逃れたがプリズムソードをビッカーシールドに収めた直後から数秒、録画画面が乱れて途切れちゃってたんです。そう、とジュエルの間を割って、トライアルとRナスカが「ちょっと通りますよ」ってなった所がぷっつりと。たしかそんな事になってましたよね。なぜ乱れたし。そこだけ。もしかして、トライアルとRナスカの超高速の動きに録画機能がついてこれなかったとか!恐るべし!クロックアップ(←違う)


「刃さん!城島泪が上杉さんの命を狙っているって…!?」

知らせを受けた翔太郎と亜樹子は留置所の刃野の元に駆けつけた。刃野は強張った顔で鉄格子にしがみ付き、昔あの女がやった事を思い出したのだと言った。

上杉誠、武田智、城島泪の3人は、毎日毎日街の不良どもと大喧嘩していた。当時巡査だった刃野は騒ぎが起きるたびに駆けつけて、その度にひどい目に遭っていたが、それでも彼等を憎めなかった。

「刃野。アタシ等が喧嘩をするのは…この街が大好きだから。」

泪はそう言って笑った。そんなのは勝手な屁理屈…そう思いながらも刃野は彼等を信じていた。ところがある日、土手の風車がめちゃくちゃに壊されていた。子供たちがペットボトルを利用してボランティアで作った、可愛らしい風車だ。色とりどりの小さな風車は風を受けて軽い音を立てて回り、まるで花畑のように見る人の心を洗った。
その風車が、見るも無残に破壊されてしまったのだ。泣きじゃくる子供たち。
「誰がやったんだ!」刃野は3人に詰め寄った。

「刃野さん…俺らを疑ってるの?」

上杉に面と向かってそう問われ、「そういうわけじゃないけど…」と刃野はしぼんだ。普段暴れているからと言って、即ち彼等の仕業と決めつけた事は確かに悪かった…と素直に思ったのかもしれない。だが。

「アタシよ!」
「泪!……なんでこんな事を…!おめぇ、この街が好きだって言ってたろ!?」
「好きよ。…でもアタシ…
 好きになればなるほど、最後には壊したくなる…。

その時泪はそう言ったのだ。ただの思い過ごしならそれでもいいが…。刃野は心配そうに言った。

「でも…いやな予感がしてな。」

好きになればなるほど壊したくなる…翔太郎の中でジュエルが残した言葉が符合した。最後の仕上げ…というのは愛する上杉を壊す…即ち殺す…という意味だったのか。考えを巡らす翔太郎…だが、真倉の高圧的なだみ声で思考は中断された。

「探偵!面会時間は終わりだ!帰れ帰れ!お医者さんもお待ちなんだから。」 

ハイハイとおざなりに返事を返し、翔太郎は刃野に上杉の所へ行くと告げて面会を切り上げた。行きがけに、いちいちむかっ腹の立つ真倉に悪態を吐いて、ついでに真倉の食べてたアイスも横取りして留置所を後にした。亜樹子もシャドウボクシングで散々真倉を叩きのめして(妄想)、思いっ切りあかんべーをして翔太郎の後に続いた。

翔太郎達と入れ違いに留置所にやってきた白衣の女医は、無言で刃野の檻の前に立った。



事務所のガレージで、フィリップは意を決したように本を手に取った。DJエクストリームのマキシマムドライブも歯が立たなかったジュエル・ドーパントを倒す為には、どうしても地球ほしの本棚にあるあの『JEWEL』の本を閲覧しなければならない。

フィリップは地球ほしの本棚に入り、注意深く本に手を伸ばした。だが、今度もやはり姿を現した若菜によって本を取り上げられてしまった。

「どうしてもこの本が読みたいのねぇ?」
「返してくれ姉さん!」

地球ほしの本棚の真っ白い空間を、若菜は自在に移動した。たった今目の前にいたと思えば、次の瞬間には背後から声がする。若菜はフィリップの腕を掴み、怖ろしげな声で耳元に囁いた。

「一緒に行くわよ…ミュージアムに…!」

フィリップの腕を掴んだまま、すーっと宙に舞い上がる若菜。必死に姉の手を振りほどこうとするフィリップを見下ろして甲高い声で嘲笑しながら『JEWEL』の本を投げ捨てた。代わりに手にしたのはクレイドールのメモリ!若菜はクレイドールに変身した。

「ここで変身を…!!」

フィリップの目が驚愕に見開かれた。クレイドールは声を立てて笑いながら弟の横っ面を思い切り殴り飛ばす。

「驚いた?この場所とのシンクロ率は既にお前を超えたわ。」 

信じがたい状況に動揺し、キョロキョロと怯えた視線を彷徨わせるフィリップを嘲笑う様に、クレイドールは自在に空間を移動してフィリップを四方からいたぶった。力なく転がったフィリップの身体を思い切り踏みつけ、蹴り飛ばした。

「来人…もうお前は私の物よ。」

クレイドールの手から打ち出された光弾を身体にうけ、フィリップは地球ほしの本棚から弾き出された。もはや地球ほしの本棚の所有者は若菜と言っても過言ではない。



風都署の留置所で刃野の檻の前に立った女医は、ゆっくりと束ねていた髪をほどき、メガネを外した。

「泪!?」
「アタシの事、覚えてるんだ。」
「当たりめぇだろ。」

刃野…泪は刃野を見つめて鉄格子に近づいた。途端に刃野は怯えたように「お前…なにしに来たんだ!?」と
飛びのいて、じりじりと後退りした。

「わかったぞ!上杉を殺る前に、この俺を宝石に変えようってんだな?!
 この悪女め!おい!おい!誰か!助けてくれぇぇw!!」

恐怖にかられて叫ぶ刃野。蝉の声が止んだ。留置所の外は夕立ちでも来たのか、辺りは急激に暗くなり、窓の外を走る稲妻の一瞬の閃きが、泪の哀しそうな顔を映し出した。「なにを騒いでいる!」と真倉がスイカ片手に喚いている。変装をしてまで刃野に会いに来たのだ、泪は何か伝えたい事があったのだろう。けれど、彼女は何も言わずに留置所を後にした。



刃野と面会で得た新たな情報をしきりに頭の中で整理しながら、翔太郎の脳裏にふと、先ほどすれ違った女医の横顔がよぎった。マッキーを虚仮にしていてあの時はスル―してしまったが…あの顔は…!慌てて振り向いた翔太郎の目の前を、赤いドレスの女が横切っていく。

「おい!待て!!」

翔太郎はすぐさま後を追う。非常階段を一気に駆け下りた泪は土砂降りの雨の中、突然立ち止った。
本当…しつこい探偵ね…忌々しそうに泪が呟く。

「また刃さんの命を狙いに来たのか?!」
「あんな単純で騙されやすい男…宝石にする価値もない!」
「おい勘違いするなよ!?刃さんは騙されやすいんじゃない!騙され上手なんだ!
 昔っから刃さんに世話になりながら、そんな事も気づけないのか!
 情けねぇぜ。」

激しい雨の中で泪の背中に向かって話している翔太郎は、泪の泣き出しそうに切ない表情に気づけなかっただろう。泪は振り向き翔太郎を睨みつけた。翔太郎は刃野を傷つけようとする泪に挑むように、鼻に皺を寄せて宣戦布告した。

「好きな物を壊す!?させるか!俺が守る!刃さんも、上杉さんもな!!」
「黙れ!黙れ黙れ!!お前だって一緒だろ?!刃野と一緒だ!
 コロッと私に騙されてるくせに…、えらそうな事を言うな!」

想いを振り絞るような悲しげな叫び…それは冷酷なダイヤモンドの女とは思えない、純粋な哀しみ…。踵を返して土砂降りの中を走り去っていった泪を、翔太郎は追わなかった。じっと泪が消えた彼方を見つめ、想いを巡らせる。真実は…他にあるのかもしれない…。



鳴海探偵事務所は重苦しい空気に満ちていた。
水滴が滴り落ちる髪をタオルで拭いながら、翔太郎はじっと泪の言葉を反芻している。
フィリップは地球ほしの本棚で起こった信じがたい出来事を亜樹子に話す事で、不安を紛らわそうとしている。若菜が地球の記憶と直結できるようになった事、そして今も加速度的に進化し続けているという事。そして何よりも、地球ほしの本棚の中でドーパントに変身した事。本棚の中では確実に若菜の方が力が強い。フィリップは思う様に閲覧も出来ず、下手すればミュージアムに連れて行かれてしまうかもしれない。八方塞の状態だった。

為す総べなく沈んでいるフィリップを元気づけようと、亜樹子は一生懸命言葉を探して語りかけた。

「でも…フィリップ君は翔太郎くんと半分個ずつだから、
 本棚の中で変身出来ないんだよね?」

亜樹子の言葉を聞いた途端、フィリップはハッと顔を上げた。半分個…!さっき地球ほしの本棚で若菜はなんと言っていた?

「前来た時のシンクロ率は50%…つまり半分の存在だった…。」

50%の若菜は本にも触れず、フィリップの身体もすり抜けて行ったのではなかったか?!そうか!それが可能なら…!八方塞だったフィリップの目の前に、一筋の道がひらけた。目を輝かせてフィリップはニヤリと笑った。

「亜樹ちゃん、君は相変わらず天才かもしれない。
 早速検証してみるよ!」

フィリップはガレージへ急いだ。行き詰った状況で、自分のどの言葉が事態を打開する糸口になったのか、当の本人はわかっていないのだろうが、鳴海探偵事務所のミラクル所長はとりあえず役に立てたことに喜び、照れ臭そうに頭を掻いた。と、その時、事務所の呼び鈴が鳴った。亜樹子が浮かれ気味にドアを開けると、そこにはずぶ濡れの上杉が立っていた。
それまで終始無言で1人考え込んでいた翔太郎が、亜樹子の驚いた声で弾かれたようにソファから立ち上がった。

「どうしたんです?」
「泪から連絡が来たんです…!明日、風見埠頭で逢いたいと。」

ダメですよ!あの女、上杉さんの命を狙っているんですから!…奥から取ってきたタオルで甲斐甲斐しく上杉の身体を吹き始めた亜樹子を無造作に脇に押し退けて、上杉はズイと翔太郎の前に歩み寄った。

「だとしても!僕は泪に会いたい!会ってもう一度説得がしたいんです!
 ……だから、一緒に来てもらえませんか?」

翔太郎はまるで真意を探るように上杉の目を見つめたまま何も言わず、ただじっと彼の話を聞いていたが、やがておもむろに小さく頷くと、「はい…判りました」と静かに答えた。ありがとうございます…上杉の真剣な眼差しに、翔太郎は引き攣ったような小さな笑みを浮かべた。



約束の日時、風見埠頭で泪を待つ上杉を、少し離れた物陰から翔太郎と亜樹子が見守る。亜樹子は上杉の命を狙う泪に闘志満々で「あの女、きっと卑劣な罠を仕掛けているに違いない!」と息巻いている。熱くなっている亜樹子とは対照的に、翔太郎は冷ややかな厳しい表情で上杉を見つめつぶやいた。

「必ず守って見せるさ。」

コツコツと足音が近づいてきた。場に緊張が走る。コンクリートの柱の陰から、ブルーのドレスに身を包んだ泪が姿を現した。

「泪…僕が君を助けてあげる。」

上杉が悲痛な表情を浮かべて泪に語りかけ歩み寄ったとたん、彼女は唇を噛みしめて身を翻し、上杉から逃れるように走り出した。慌てて後を追う上杉、そして翔太郎と亜樹子。



事務所のガレージでは、フィリップの戦いが始まっていた。

園咲家の一室で父と語らっていた若菜が、気配を感じて振り向いた。

「来人…だね?」
「ええ。また地球ほしの本棚に。今度こそ連れ戻しますわ。」

若菜は冷たく怖ろしい声で父に告げた。

「そうか、お前と来人が揃えば…。」
「最終ステージへの扉を開く事が出来る…でしょ?お父様?」

フィリップと若菜、2人は同時に地球ほしの本棚に飛んだ。なにもない真っ白な空間で対峙した姉と弟。若菜は胸に『JEWEL』の本を抱いて、高圧的にフィリップに語りかけた。

「今日こそ覚悟は出来ているわね?さぁ、戻るのよ、ミュージアムに!」
「ならせめて…その本に書いてあるジュエルメモリの情報を教えてくれ…!」

フィリップは懇願した。そんな弟の必死な顔を家から見下ろし、若菜はフンと鼻で笑った。お前の知りたい事はこのページに書いてある…『JEWEL』の本を手の中で開いてフィリップをいたぶるように嘲笑った。と、突然フィリップがクルリと後ろを向いて、若菜とは反対方向に向かって駈け出した。

「往生際の悪い!!」 

若菜は美しい顔を醜く歪めて、本を開いたまま傍らに浮かべると、クレイドールメモリを取り出した。彼女はクレイドールから、さらにエクストリームへと変身し、逃げて行くフィリップに向かって禍々しい光弾を放った。フィリップはそれ巧くかわし、180度方向転換すると、今度は真っ直ぐにクレイドール・エクストリームに突っ込んできた。飛んで火にいるなんとやら…!クレイドールは勝ち誇ったように叫んだ。

「捕まえた!!」

しかしフィリップの身体はクレイドールをすり抜けた!



風見埠頭の、ここはフェリーの待合室なのだろうか、天井の高い広いフロアの真ん中に泪が立って待ちかまえていた。

「なにしてるの?早くこっちに来なさいよ、上杉!」

泪が上杉を誘う。「ああ…。」上杉がゆっくりと泪に向かって歩き出した。ここに何かある…!翔太郎は咄嗟にデンデンセンサーを取り出すと、泪のいるフロアを探査した。果たしてそこには爆発物が仕掛けられていた!

「爆弾が仕掛けてある!!」
「まさか…僕を…!?」

愕然と泪を見つめ立ち尽く上杉。罠よ!逃げなくちゃ!亜樹子が上杉の腕を掴んで必死に引っ張る。

「上杉!」

泪の叫び声は爆炎の中に消えた。さっきまでいたフロアは飛び散るガラス片と共に激しい炎に包まれ、辺りは立ちのぼる白煙で真っ白になった。けたたましく鳴り響く非常ベルの音を聞きながら、上杉は震える声で呟いた。

「泪は…僕の命を狙おうとして…逆に…」
「ミスって爆発しちゃったってこと?」
「元をただせば僕のせいだ…。許してくれ…泪!!」

自分を責め、泪を飲み込んだ炎を見つめて叫ぶ上杉。
そんな彼の様子を、翔太郎は冷ややかに見つめていた。



一連の怪事件の容疑者であるダイヤモンドの女・城島泪の爆死で、事件は一応の決着を見た。亜樹子の言うとおり、後味の悪い結末を迎えてしまったが。依頼人である刃野刑事にはたんまり報酬をいただかなくちゃ…亜樹子はほくほくと請求書の作成を始めた。

「いや…まだだ。」

翔太郎は立ち上がり、中折れ帽を手に取った。え?もう報告書も書いてるじゃん!と亜樹子が驚いて問いかける。

「まだ最後の1ページが欠けている。…じゃ、行こうか。」

「行くって…どこに…?」

翔太郎は中折れ帽を気に入った角度に被り、ハードボイルドな探偵の顔で振り向いた。

「報告書のピリオドを打ちに…さ。」



翔太郎がおやっさんの様にカッコいいですね、今回。ハーフボイルドじゃないハードな男の顔をしています。第1話の頃に比べると、探偵として、男として、広く深く成長したなと感じます。痺れます、左翔太郎。ハードボイルドって、カッコいいだけじゃ心に響かないんですよね。哀愁と艶めかしさとそしてウエットにとんだ会話。は大人も十分楽しまるハードボイルド作品だなぁと思うのです。

…返す返すも、あと数回で最終回を迎えるのが惜しい!!終わって欲しくないなぁ…。最後まで中だるみせずに一気に楽しめた作品でしたね。でしたね…って、まだ終わってませんけど。面白かったなぁ…って、まだ終わってませんけど。



サンフラワー号!!懐かしい!なんか嬉しいですね~♪

「いい風ですねぇ。ご旅行ですか?」

サンフラワー号の甲板で海を見つめている男に、翔太郎は声をかけた。振り向いた男は「探偵さん!」と驚いた声をあげ、サングラスを外した。男は上杉誠だった。

「お二人は…どうしてここへ?」
「それが私にも今一つ…」

亜樹子も何の説明もされないまま、ここに連れてこられたようだ。翔太郎はゆっくりと上杉の前に歩み出ると「どうしても確かめたい事があって…」と両手を広げた。

「上杉さん。あなたがドーパントですね?」  

え?!上杉は驚いて「いきなり何の話です!?」と聞き返す。亜樹子もドーパントは事故で死んだあの悪女よ!と主張した。だが、翔太郎は上杉を真っ直ぐに見つめ、確信を持って指差した。

「いや、こいつだ。」

ありえない!亜樹子は頭を振って翔太郎に反論した。城島泪は目の前で、ジュエル・ドーパントに変身して見せたではないか!!この目で見たのだから、あれは疑いようもない…!

「トリックさ」

いつの間にか船に乗り込んでいたフィリップが亜樹子の疑問に応えて言った。

「僕らが見たのは、鏡に映った城島泪だった。」

ジュエル・ドーパントが戦いの中で度々作り出していた、ダイヤの微粒子で形成された結晶のシールドを使ったトリックだったのだ。変身の瞬間、城島泪は亜樹子達からは見えない死角に立ち、変身ポーズを取っていた。あとはシールドを解除して、シールドの後ろにいたジュエル・ドーパント=上杉が姿を現わせば、あたかも城島泪がドーパントに変身したかの様に見える…という寸法だ。上杉は動揺したように震える声で問いかけた。

「なんで…彼女がそんな事を…?」
「脅迫されていたからだろう?お前に。」
「どうやって…?」

「そいつぁ本人から聞くといい。…泪さん。」

翔太郎の視線の先に、爆死したはずの城島泪の姿があった。彼女の無事な姿を目にした途端、上杉の声の調子が変わった。

「生きてたのかぁ~。」

上杉は薄ら笑いを浮かべて無感動に言った。「なぜ約束を破ったの!?」泪は上杉を睨みつけ事件の真相をぶちまけながら彼の前に詰め寄った。

城島泪の行動は、総て上杉に命令されてやっていた事だった。女性が宝石にされるという事件現場でこれ見よがしに泪が目撃されていたのも、悪女を演じてきたのも全部上杉の指示なのだ。彼女が悪女を演じれば演じるほど、上杉の誠実さが際立つ…。総て計算づくだったのだ。
上杉は誠実な青年の仮面を脱ぎ捨てた。手を吊っていた三角巾をぽいと投げ捨てると、首にボイスチェンジャーを当てて、泪の声でふてぶてしく言った。

「あwあwあw!!全部バレちまってるのか!
 だったらもう…芝居する必要もねぇなぁ!」

泪を見上げていやらしい笑いを浮かべた上杉は、必死の面持ちで「智を返して!!」と叫ぶ泪の声を、へらへらと心地よさそうに聞いていた。
上杉は泪が自分ではなく智を好きだと知り、智を宝石に変えた。上杉の指に輝く大粒のダイヤのリング…あれが智なのだ。

「る~い!君はさぁ、僕の事好きだったんだろう?ん?
 だから、僕が子供らが作った風車壊した時、庇ってくれたんだろ?」 

「仲間として好きだった…。でも…次第にあんたが怖くなった。
 好きな物すべてを壊したくなる、あんたのその性格が!」

上杉は少しも悪びれた風もなく、むしろ誇らしげに「ボクはねぇ、完璧主義者なんだよ」と言った。愛すれば愛するほどに、不完全さが目に付き、やがて我慢できなくなる。完璧でないものなど壊してしまいたくなる。

「お前の事もそうさ!泪!」

自分以外の男を好きになった泪は、上杉にとって不完全で我慢できない女…という事か。自分の完全犯罪を完成させる為に泪を利用出来るだけ利用し、ついでに壊してしまおうと考えたのだろう。

「とんでもねぇヤツだな。…そろそろ観念しな。」

翔太郎が苦々しく吐き捨てた。

「ボクを捕まえるのぉ?だったらこれ、もういらねぇなぁ。」

上杉はへらへらとふてぶてしく笑い、指からダイヤのリングを抜いた。それを一体どうするつもりなのだ…!泪は不安に駆られて「智を返して」と叫んだ。

「断る。」

上杉はダイヤを海に向けて思い切り放った。泪の悲鳴が響く。その時!

「照井!」

翔太郎が叫ぶ。どうやらもしもの事態に備えて待機していたらしいトライアルが、超高速のスピードで飛びだし指輪を見事にキャッチした。ゆっくりと開いた手の中で大粒のダイヤの指輪が光っている。「ナイスキャッチ!」翔太郎がトライアルを指差した。トライアルは上杉に向き直ると、これでお前の友人の命を救うのはこれで2度目だ…と告げた。

フェリーの待合室で泪が爆死したと思われたあの時、実は爆発寸前にトライアルが泪を救い出していたのだった。おそらくは上杉に不信感を抱いた翔太郎が、万が一の事を考えて竜に協力を頼んでいたのかもしれない。
翔太郎に立ち合いを頼んだのは、翔太郎達に証人になってもらい、彼女の事故死で綺麗に幕を引きたかったからだ。残念だったな…竜が言った。

「いつから気づいていた?」
「きっかけは泪さんの言葉だ。」

土砂降りの雨の打たれて、泪が叫んだあの言葉…。「コロッとあたしに騙されてる癖に!」一体なにを騙しているのか…最初にそこがひっかかった。そして、翔太郎は風見埠頭で確信したのだった。亜樹子に手を引かれて建物の外へ逃げる時、泪の名を呼び続けながら上杉が隠し持っていた起爆スイッチを押すのを、翔太郎は確かに目撃したのだ。

「あ~あ、他の街に行って、
 また思う存分女どもをダイヤに変えるつもりだったのに…!」

上杉はジュエルのメモリを差してドーパントに変身した。
立木さんの「ジュエ~ル」がなんか妙に艶っぽくゾクゾクしますねぇ。
しかも!翔太郎とフィリップの変身も構図がカッコいい!!メモリを持つ腕がクロスして見えるのがいいですね!こういう並びは初めてですね。石田監督って、ちょっと遊び過ぎる時がありますけど、男をむちゃくちゃ渋くカッコ良く撮る監督なんですよねー。今回のエピソード、翔太郎が妙にカッコいい画が多いから嬉しいのなんのって。この変身シーンみたいに、斬新で凝った構図も多い監督です。こういう所が好きなんですよね~、石田監督。

「さぁ!お前の罪を数えろ!」(この角度がまた…ああカッコいい…)

とトライアルは一斉にジュエルに躍りかかった。しかし、やはり前回同様、2人がかりでもジュエルの固い身体には傷一つつける事が出来ない。手も足も出ないまま、ジュエルのシールド攻撃に弾き飛ばされて2人揃って無様に甲板に転がった。

「無駄だよ。ダイヤは傷つかない。僕を倒せる奴なんて誰もいないんだから。」

ジュエルが面倒臭そうに言った。今までと同じ戦いなら確かにそうだろう。しかし今回は違っていた。

「いや、既に検索は終了した。」

フィリップが自信満々に言った。昨日地球ほしの本棚でクレイドール・エクストリームと対峙した時、フィリップは彼女の身体を通り抜けた。
もうフィリップの身体にも本にも触れるはずなのに、何故!…思いもよらない事態に苛立ちを隠せないクレイドール。

「逆だよ。僕の方がシンクロ率50%…つまり半分だけの状態でここに入った。」

フィリップは余裕たっぷりに『JEWEL』の本の前に立った。本はジュエルメモリについての情報が書かれたページが開いたままになっている。これなら本に触れなくとも閲覧は可能だ。フィリップはフワフワと宙に浮遊しながら本を覗き込んだ。

「ボクは本に触れないけど、君も僕に触れない。うん。
 そして…閲覧は終了した♡」

ジュエルメモリの情報は手に入れた。はCJエクストリームにチェンジした。

「ヤツは原子結合を操作する事で、至上最強の固い身体を手にした。
 でも…鉱石には割れやすいある特定の方向…石目が存在する。」
 

CJエクストリームは、プリズムメモリの力でジュエルの身体をスキャンし、石目の位置を特定した。ヤツの弱点は、丁度ヘソの位置にある!

「そこを正確に攻撃すれば…ジュエルの身体は砕ける。」

ビッカーチャージブレイクが、ジュエルの石目を正確に貫いた。
爆炎が消えた後には、見る影もなくやつれて消耗した上杉が、必死に立ち上がろうともがいていた。
これですね、フィリップ役の菅田さんがブログで書かれていたメモリブレイクした後の上杉の動きって。確かに小さいお友達がトラウマになりそうな鬼気迫る表情w(笑)これは大人でも怖いです。誠実な上杉誠とは似ても似つかぬ怖ろしさ!凄い演技ですね。素晴らしい。
 
「る…い…!お前が刃野みたいな…あんな刑事庇わなきゃ…
 こんな奴ら…呼び寄せる事無かったのに…!なぜ刃野を!!」

「あの人だけは傷つけたくなかった!
 昔から…どんな嘘にもすぐ騙されて…バカな人。」

泪は今にも泣き出しそうな顔で笑った。
喧嘩するなよ…と説教する刃野に、泪は「友達だちが人質に取られたんだ」と嘯いた。刃野はそんな見え透いた嘘も簡単に信じた。

「よしわかった。でももう二度と喧嘩をすんじゃねぇぞ。」

騙された刃野に付き合わなきゃいけない様な気がして、泪は本当に二度と喧嘩をしなかった。

「だから…あの人は私の恩人…!」 

翔太郎が優しい目で泪を見つめ微笑んだ。竜は智の指輪を、黙って泪の前に差しだした。
泪は愛おしそうにそれを両手で包み「智…」と悲しげに囁いた。

「ボクの…完璧な計画が…あんな間抜けで騙されやすい…刑事の為に…!!」

「上杉!一言言っておくぞ。
 刃さんは騙されやすいんじゃねぇ。騙され上手だ。」

翔太郎が微笑んだ。グズグズと力なく膝から崩れ落ちた上杉の身体からジュエルメモリが抜け、甲板に落ちて砕け散った。意識を失って干からびたカエルのようにのびた上杉の向こう側で、人間に戻った智と泪が泣きながら抱き合っている。目のやり場に困った翔太郎とフィリップは照れ臭そうにそっぽを向いている。
泪と智の熱い抱擁に触発された亜樹子が、竜に抱きつこうとしてものの見事にかわされた。海に転落しそうになっている所長を、翔太郎とフィリップが慌てて救出に向かう。

女性たちも総て元に戻り、今度こそ事件は終わった。



愛すべき騙され上手・刃野刑事は無実が証明されて釈放された。散々っぱら盗人扱いして刃野を罵り倒した真倉は、掌を返したように刃野にへつらって、「最初から信じてましたよぅ、刃野さんの無実を♡」なんて調子の良い事を言って、刃野のエルボーを食らったりしている。

そこへ翔太郎と亜樹子が探偵料の集金にやってきた。「翔太郎!探偵料はツケといてくれよ!」と軽い調子で言って、亜樹子に即却下された。

「ダメ!きっちり現金でいただきます!」
「女は怖えぇもんだ」

刃野は肩を竦めて外へ出た。

「泪さん、刃さんに感謝してたぜ。今度お詫びに手料理ご馳走したいって。」

翔太郎が刃野にそっと耳打ちした。だが、刃野は「どうせ嘘だ」と取り合わない。今回の件でひどい目にあったから、「もう二度と騙されねぇ!」と誓いを立てたのだそうだ。ところが。

「あ!!雪男!!」

翔太郎の言葉に脊髄反射的に反応して「どこどこ?!見たい!見たい!」と駈け出す刃野。「やっぱり騙されてんじゃん」亜樹子が呆れて笑う。駆けていく刃野の後姿を見つめ、翔太郎も柔らかく笑った。やっぱりどんな事があっても、刃さんは刃さんのままだ。

その時、急に冷たい風が吹いてきた。ゾクリと身体を竦ませて辺りを見渡した翔太郎と亜樹子の目に映ったものは…雪男??!!ええええww!!

ほんとうに刃さんは騙され上手だ。いつの間にか嘘に付き合わされている。

最後にやってくれたな…石田監督(笑)



さて次週。
えええええええwww!!翔太郎が…翔太郎が…おじいさんにぃぃぃww!!
翔太郎が戦えないから、フィリップと竜が?って事は…あれですか?テレマガに出ていたあの赤と緑のイタリアンな感じのえくすとりーむ???本当に出ちゃうの?ああ…気になる…来週の展開が…気になるw。
  
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第42話感想

ノラ様、こんばんは。東海地方は、梅雨末期の不安定な天候です。

・やはりジュエル・ドーパント打倒策は、宝石結晶のピンポイント攻撃でした。
 狙撃ではなく剣技なのは、元ネタ(ゴルゴ13)バレを避ける為か?

・港の地名「風見埠頭」昭和シリーズ、ベタベタのオマージュ。

・「さんふらわあ」を舞台の、二大ライダーVS怪人バトルも、同様の扱いである事は、
 疑い無しの状態でしたね。

・トライアクセルVS冴子ナスカの超加速バトル。
 「009・ヨミ編」における009VSバン=ボグート同様に、
 W=翔太郎が004の如く、援護射撃するシーン挿入も有りでしょうか?

・泪=ジュエル・ドーパントはフェイクで、真相は野郎でした。
 それも札付きの外道キャラ。

・以前考案した展開に近い結末に、一同辿り着けるのか?
 (翔太郎死亡。フィリップ死亡。亜樹子や竜、イレギュラーズ等が瀕死の状態で、
  Wコンビが園崎邸に殴り込みエンドの三択展開)

こんにちわ、M NOMさん!

毎日安定しない天気が続きますね。晴れ間があっても出掛ける時は洗濯物を家の中に干して行かないと不安です。早く梅雨が明けて欲しいですよね。

今回のエピソードは昭和の懐かしい要素がふんだんに盛り込まれておりましたね!航行するサンフラワー号が出てきた時には懐かしさで泣けてきましたw。

Wは作品全体に昭和の香りが漂っていて、それが堪らなくノスタルジアを感じるんですよねぇ~…。もう大好きです、この世界が。
おそらく残り7回程で終わってしまうんでしょうけど、まだまだ翔太郎とフィリップと亜樹子の物語を見ていたい気がします。

犯人はやっぱり泪ではありませんでしたね。先週から上杉の潔癖で誠実過ぎる態度が、なんとなく鼻について気に入らなかったんですが、ここまで外道な本性を隠しているとは。

船の上での真相の解明は、どことなく火曜サスペンス劇場のテイストも感じました(笑) 船越さん、どこ?みたいな。

この大詰めに来て、次回は翔太郎がおじいちゃんになってしまうまさかの展開(笑) シュラウドが望んでいたフィリップと竜のエクストリーム誕生の為の布石なのでしょうが、他に話の持ってきようは無かったのかとw(笑) 面白いからいいんですけど。
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今日の誕生石
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来世は絶対男に生まれ変わってJAEに入って、仮面ライダーを目指します。

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