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大魔神カノン 第10話

久々にバイト先の「ピエトロズ・パスタ」です。
落ち込みがち…というか、かなり後ろ向きだったカノンは、タイヘイのおかげで気持ちも明るく前向きになったようです。人と深く関わる事に怯え、壁を作ってしまっていたバイト先の仲間たちとも、すっかり打ち解けて笑い合えるようになりましたね。

相手が心に壁を作ってしまったり、穴倉の奥に引っ込んでしまったりすると、そこを壊したり踏み込んだりしてまでコミュニケーションをとるのはなかなか大変ですよね。不思議なもので、相手がどんなに表面的に笑顔で取り繕っても「壁がある」とか「警戒してる」とか「これ以上踏み込んで欲しくないのかな」とか、そういうものってなんとなく感じ取れちゃうもんです。だから他人とちゃんとコミュニケーションをとりたいと望んでいるなら、あるいはそうしなきゃいけない…と思っているのなら、ちゃんと自分の心を開かないとダメって事ですよねー。相手が来てくれるのを待っているんじゃなくて、自分からも歩み寄らなきゃダメなんですね。

…わかっているんですけど、私もなかなか人見知りで引っ込み思案なもので(笑ってる奴!後で職員室に来い!)人間関係を築くのが怖いんですよねー。だからタイヘイみたいな人が傍にいてくれると、その1歩が踏み出せるんです。1歩踏み出してしまえれば、後は意外と簡単なんですけどね。

カノンの態度が柔らかくなり、笑顔も自然になってきて、バイト先の仲間との距離もグッと縮まってきました。仕事の合間の談笑も楽しそう。タイヘイもしょっちゅうピエトロズ・パスタに顔を出しているようで、阿部と丸山は彼とカノンが恋人同士なのだと思っているようだ。
この日も、店の外で満面の笑顔で手を振りながらタイヘイがやってきた。2人に冷やかされて、「違いますよー!」と言いながらも、カノンも満更でもなさそうだった。

それにしてもタイヘイってほんっとに壁の無い人ですね。店に入ってくるなりスタッフだけでなく、お客さんにまで声をかけて(笑)真っ直ぐで裏表がないから、他人に警戒心を持たせないんでしょうか、丸山と阿部もすっかり顔なじみになっているようで、「タイヘイさ~ん!」なんて親しげに呼びかけたりしています。タイヘイも「よぉ!阿部ちゃん、丸山ちゃん」なんて呼んでますし。変な格好はこの際気にならないのか、この街の人々は(笑)

タイヘイさんといると元気になれて、自分の気持ちが出せる気がします!
一緒にいると、なんか…変われそうな気がします!


モノローグの声まで、ガラリと変わって明るくなりました、カノン。


タイヘイは大学に通うカノンの送り迎えも買って出ているようです。カノンはタイヘイが大学に興味があるのかと思っているようですが、そう尋ねると思っていたのとは違う答えが返ってきました。

「大学で会いたくねェヤツらさ会っちまうと、心配だからよ。」

タイヘイさんは私を心配して、ずっと傍にいてくれるんだ…そう思うと嬉しくて自然と顔がほころぶ。



山形のジュウゾウ爺は、ショウタと一緒にブジン岩を見上げていた。いくら見上げていても、やっぱり動く気配はない。カノンが心から祈り歌を歌得るようにならない限り、ブジンサマはこのまま。くすぐってみたら起きるかと、駈け出して行こうとしたショウタをジュウゾウが止めた。

今朝がた、タイヘイから電話があった。ジュウゾウ爺に折り入って頼みがある…と真剣な声で頼み込んできたのだ。タイヘイを見込んで、ジュウゾウ爺が色々と頼み事を言ってくるけれど、どうしてもというものはやるけれど…今はとにかくカノンを元気にさせてあげたい…と。
タイヘイの真っ直ぐさで、やがてカノンがあるべき自分を取り戻せたら、あるいはブジンサマも目覚めるだろう。今はタイヘイを信じて待つしかない。



タイヘイとカノンは学食で昼食をとり(カノンのおごり)、仲良く並んで出てきた。タイヘイの態度は初めの頃からちっとも変わらないけど、カノンは本当にウキウキと嬉しそうで、タイヘイといる時は終始ニコニコと笑っている。いつも一緒にいるようだし、確かに傍から見れば、2人付き合っていると言ってもおかしくない…というかそうにしか見えないかも。

カノンは午後の講義があるから、その間タイヘイは昼寝でもすっか…と伸びをした。「いびきが聞こえてきたりして」「さすがにそれはねぇべ」なんて軽口を飛ばしあう。
と、その時。

「お願いします!なんとかひとつ!このとおりですから!
 先生しか頼れる人はいないんです!!」

悲痛な男の声が聞こえてきた。みると、地面に額をすりつけるようにして土下座している男がいた。白髪の教授が困ったように慌てて男を立たせ、自分の研究費も削られているのだから無理だ…と、言い難そうに男に告げた。守谷…と呼ばれたこの男は、どうやら働き口を求めて、この教授を頼ってきたらしい。けれどこの大学どころか、他の働き口も難しい…と言われ、守谷は、そうですか…と肩を落とした。

「どうもすみませんでした、突然。お身体をご自愛ください。」

守谷は顔を上げ、微笑みを浮かべた。老教授はホッとしたように「君もな」と声を掛け、背中を丸めて校舎の中に消えた。守谷は頭を下げて教授を見送っていたが、やがてガクリと膝をついた。

落胆しひとしきり蹲っていた守谷は、ようよう立ち上がり、重い足取りで歩きだした。ふと横を見ると、屋上へ続く非常階段が見える。じっと屋上への入り口を見つめていた守谷が、急に階段に向かって駆けだした。
彼の必死さと思い詰めた様子が気になって、ずっと少し離れたところから見ていたタイヘイとカノンは、守谷のただならぬ様子に厭な予感を感じ、慌てて後を追った。

屋上まで一気に駆け上がった守谷は、屋上の端まで行くと手すりにつかまってじっとしたを見下ろしている。

「早まんなぁw!」

タイヘイは守谷に組みついて手摺から引き離し、内側に投げ飛ばした。少し遅れてカノンが駆け込んできた時、タイヘイは守谷に馬乗りになって両肩を抑えつけ、「命を粗末にすんなぁ!」と怒鳴り付けていた。

「死んだらお花見出来ねぇっていうべ!」
「へ!?変な誤解やめてくれ!」

自殺かと思いきや、それはタイヘイとカノンの思い違いだったらしい。



「歌うつもりだったんだ、あそこで。なんでもいいから…思いっ切り。」

守谷信太郎は、城南大学の社会学部の助教授だった・・・。今年の春に何の前触れもなく、いきなりリストラされたのだ。守谷を切った学部長は、なぜ?と問うても評判が悪い、大学の利益にならないの一点張りで、具体的な理由も「プライバシーの問題」とはぐらかすばかりだった。理由など言う必要が無いと言いきった。
その学部長は表向きは優しいが、自分の気に入らない人間に圧力をかけてクビにするので有名だったのだが、守谷はその事を知らなかったのだ。パワーハラスメント委員会にもかけあったが、そこにも学部長の息がかかっていて話を聞いてもらえなかった。

「いい人だって信じていた自分がバカだったよ。
 色々事情はあるんだろうけど、教授も同僚たちも僕には手を貸してくれなかった。」

守谷の言葉に、カノンはハッとした。それは少し前の…タイヘイに会う前の自分…。
「冷たいな…みぃんな冷たい」と、心から同情したようにタイヘイがしみじみ言った。

「ボクは人を信じて生きてきたけど…甘かったな。」

最後の望みを賭けて、昔お世話になった教授を訪ねて来たのだけど、ご覧のあり様…と言う様に肩をすくめて守谷はため息をついた。

守谷の話を聞いたタイヘイが、ダンッ!とテーブルを叩いて立ち上がり、烈火のごとく怒りだした。周りの人間が吃驚して振り向くほどの大声で怒鳴り散らした。

「そんなのねぇべ!
 人が人を信じて幸せになれねぇなんてよ! 絶対おかしいっ!!」

タイヘイさん怒り過ぎ!…カノンになだめられて座ったタイヘイは、自分の興奮を鎮めるように深呼吸をした。切り替えが早っ!!そしてふと気付いたように、「なぜ歌なんだ?」と守谷に尋ねた。
ああ…守谷は表情を和らげて、「昔、歌手になるのが夢だったんだ」と言った。これでも結構いい所まで行ったんだと、と少し得意げに笑った。

「久しぶりに歌いたくなった。
 さっきあんたが言っていた様な事をぶつけてみたくなった。
 人は人を信じて幸せになるもんなんだ…って!
 理不尽なリストラなんかに負けるもんか…って!」

んだ!その通りだ!と嬉しそうに頷くタイヘイの隣で、カノンはずっと表情を曇らせている。おじさん二人の熱いノリに不安そうに首をかしげ、なにか言いたそうにタイヘイに向かって口を開いた。けれどその時授業開始を知らせる予鈴がなった。

講義に出る為に席を立ったカノンが「タイヘイさんは?」と尋ねると、タイヘイはしばらく守谷と話していると言う。カノンは一瞬、面白くなさそうに黙ってしまった。「どうした?」と不思議そうに覗き込むタイヘイに、無理矢理笑顔を作って、カノンは教室に向かった。

上の空で講義を聞きながら、カノンは自問自答していた。

「なんだろう、私…まだ誰かと関わるのを怖がっているのかな。
 前の私だったら、きっと話を聞こうとしてたよね。」

これまでの「大魔神カノン」と違って、とってもカノンの心情がわかりやすくハッキリ表現されてますね。特に深読みしなくても、ちゃんとカノンは自己分析してくれてます。この時の心情も後でイケチヨ姐さんとの会話の中で答えを出しているし。



一方、心に重い物を抱え込んだサキは。
部屋でイライラしながら作曲をする幸太郎。サキは幸太郎にいくら「座れ」と言われても頑として部屋の入口に立ちつくしたまま、動こうとはしない。
「TO THE TOP」がカノンの歌の盗作だったとわかったが、もはやサキ一人の力で止められる事など出来ないほどヒットしてしまった。サキは苦悩し、それでも自分の出来る事はないかと必死に考えたのだろう。彼女は自分で曲を書いて幸太郎の所に持ってきたのだ。

「俺にはいい曲作れないってか。」
「そんな事言ってないよ。ただ試しに作ってみたから聞いて欲しいだけ。」
「紅茶淹れてくれたら聞くよ。」
「何それ。」
「前は淹れてくれたじゃん。」

サキはため息をついてそっぽを向いた。サキは幸太郎に対して不信感を持ってしまった。それが2人の関係をギクシャクしたものにしている。

「わかったよ!俺が淹れる。いいから座れって。」

幸太郎はキッチンに立った。サキは持ってきたCDを無造作にテーブルの上に投げ、キッチンの幸太郎に「紅茶いらない。あれだけ聞いといて。」と言い捨てて部屋を出て行った。

「え…?」

幸太郎の後姿が、捨てられた子犬のように見えたんですよね、なぜか。
あんなに傲慢で自己中心的で人を人とも思わないひどい男なんですけどね。夢の中にいた子供の幸太郎と母親。あれが引っかかってるのかな。優秀でなければ価値が無い…みたいな価値観を持った母親でしたから、幸太郎は母の愛を獲得するために必死だったんだろうな…なんて考えてしまいます。時には嘘をついたり、他人を陥れてまで、手段を選ばずに自分の優秀さを取り繕って、そうやって生きてきたのかもしれない。でもそのすべては母の愛を得る為。根底で自分に注がれる愛情を渇望していたのかも…と考えると、ちょっとイメージが変わってきたりして。
地位や名声を手に入れれば人は自分を愛するはず…そう思い込んでいるとしたら、哀れな男です。

カノンの母のように優しい愛は、幸太郎にとって確かに安らぎであったのだと思うのです。祈り歌を作り替えて発表しヒットした事で幸太郎は名声を手に入れた…こんな優秀な自分を、カノンはもっともっとこれまで以上に愛してくれるはず…と思い込んでいたとか。でもカノンは去っていった。
そして今度はサキ。彼女は「TO THE TOP」をいい歌だと本当に愛し、とても幸せそうに歌っていました。だから幸太郎もサキがズケズケと物を言っても甘かったのかなぁ。
ただ自分を愛して欲しいだけなのかも。でも人を「思いやる気持ち」を教えてくれる人が誰もいなかったのかも。愛され方を知らないのかも…。

オープニングで、幸太郎が開け放した戸棚の中からイパダダがじーっと見ていたけれど、そのシーンはカットになったんですね。サキが帰ってしまった…その背中を見つめながら、幸太郎は「なぜ去っていてしまうんだ」と黒い感情が首をもたげたんじゃないかと思うんですよね。オレを愛さない奴らは、愚かな人間だから俺の優秀さが分からないんだ・・という不条理な不満。イパダダが幸太郎を依代に選んだのはそこだと思うんですが。とめどない殺人の衝動を持つイパダダにとって、尽きる事なく愛情に飢え欲する幸太郎は居心地が良い依代なんじゃないかと。なんてね。



だいちゃんではオタキ婆とオンバケ達が開店の準備をしている。ニラ餃子を始めたようですね。(250円)実は前々から気になっているんですが、だいちゃんの店内に貼ってあるメニューの中の「おばけラーメン」てのが気になる。どんなラーメンなんだろ~。

前日の祭りの夜、あの後イパダダはかなり大暴れしたようですね。さすがのイパダダも、暫くは大人しくしているんじゃないかと思えるくらい。

「しばらく休んでてくれればいいけど…。」
「せめてあの方がこちらにお見えになるまでは…。」


あの方!?3人が3人とも「あの方」を尊敬し憧れているような口ぶり。恐れ知らずで、切れ味の鋭い方だった。歴戦の勇士。その名も池田秀一さn 「トウベエ」さん。
シルエットだけの登場でしたが、タイヘイの様な兜を被っているように見えます。でもきっと兜じゃなくて「刀」のオンバケなんでしょうね。どんな男前が登場するのやら。渋いおじ様だったらいいな~…と思ってたんですけどね。特ニューの129ページにしっかり載ってるじゃないですか。池田さんじゃないいんですか。えええwww。チョーさんも好きですけどね、ええ。



講義が終わって、なんだかホヨンとしたテンションの低い顔で外に出たカノン。いち早くカノンを見つけてニコニコしながら駆け寄ってきたタイヘイは、強引にカノンの手を引っ張ってどこかに向かって駆けだした。タイヘイがカノンを連れて来たのはカラオケ店。何が何やらわけのわからないまま、とある一室に誘われた。中に入ると、なんとあの守谷がフォークギターを持って立っていた。

カノンが講義に言った後、おじさん2人はすっかり意気投合し、以前タイヘイがだいちゃんで歌った「なんだなんだ~♪」という歌の替え歌を作って盛り上がってしまったようだ。ポカーンとするしかないカノンを前に、守谷はギターをかき鳴らし、タイヘイはタンバリンを持って「現代社会で人間不信に苦しむ人たちへ送る魂のエール」を込めた歌を歌い始めた。

 リストラが なんだなんだ なんだなんだ
 ある日突然 お前はいらねぇ なんだなんだ 
 おいらの何が悪いのよ 
 真面目一筋  バカを見るよね そんなもんか
 諦めるのは簡単だよね
 なんだかんだあるけれど 信じてみよか
 なんだかんだ言いながら 明日があるさ
 なんだなんだ なんだかんだ

どうリアクションしていいのかわからないといった顔で、とりあえず拍手をしてみるカノン。いいべ?な?カノンちゃん!と聞かれても、なんとも感想を言いにくい微妙さ。だが守谷は「この歌のおかげで元気が出ました!」と満面の笑みを浮かべて言った。そんな守谷を見ているうちに、カノンの脳裏に一緒に暮らしていた頃の幸太郎の事が甦って来た。

カノンの腿を枕に、カノンの歌う祈り歌を聞きながら、母に甘えるあどけない子供の様な嬉しそうな顔でカノンを見上げて「サンキュ」と笑った。

「カノンのその歌で、なんかちょっと元気出た。」
「ホント?良かった。」

あの幸せはずっと続くと思っていたのに…。カノンはぴしゃりと記憶を閉じた。
2番も作ろうか…なんて盛り上がっている2人のつかつかと歩み寄り、守谷に断りを入れてタイヘイを部屋の外に連れ出した。

「どうするんですか!?タイヘイさん!」
「ああ、カノンちゃんにはカスタネットかハーモニカをやってもらおうと思って…。」
「そうじゃなくて!!」

ああ、これからか…タイヘイは笑って、これから飲みに行って2番まで作るのだと言った。カノンがいれば百人力だと笑う。とんでもない!「アタシ、行きません!!」カノンは少し怒ったように首を振り、タイヘイ達を残してカラオケ店を後にした。



カラオケ店を出たカノンは、だいちゃんでラーメンをすすっていた。

「全くタイヘイときたら、カノンちゃんをほっぽらかして
 どっかの誰かと飲みに行っちゃうなんて、困ったもんだね!」
「でもそれがタイヘイさんの良い所なんだと思います」
「おやまぁ。あんたがタイヘイ庇ったら、アタシの立場がないじゃないか。」

そんなつもりじゃ…と慌てるカノンに、オタキ婆は冗談だよと笑う。あいつはね…。オタキ婆さんが言葉を続けた。

「あいつはね、周りが見えてないんだよ。だから勢い点いちゃうと止まらないのさ。」

「だからだ…。」

オタキ婆の言葉を聞いた途端、何かが腑に落ちたのかむっつりと黙りこむカノン。その横顔を見つめ、イケチヨはつま弾いていたウクレレを傍らに置き、カノンに歩み寄って声をかけた。

「食べ終わったらさ、散歩がてら銭湯に行かないかい?」

散歩がてら”せんとう”に行かないかい?と打って変換したら、”戦闘”になってた(笑)散歩がてら戦ってどうする。イケチヨはカノンの心の中のもやもやの正体を、なんとなく感じ取ったのかも。裸の付き合いって事ですかね。あけすけに本音で話をしようと言う事かな。男同士ではこういう話も聞きますけどね。
聞くところによると、お風呂シーンはカットになったとか。水…銭湯ならお湯ですけど…の中で揺らめく、キラキラしてるイケチヨ姐さんを見てみたかったなぁ。カノンちゃんのぴちぴちのお肌には興味はありませぬが。私一応女の子なのでね。

銭湯帰りに公園でブランコなんて、初夏とはいえ風邪ひくぞ。
イケチヨはブランコに揺られながら、カノンの「だからだ」の意味を問うた。じっと俯いて考えていたカノンは顔を上げ、「思い出したんです。タイヘイさんを見てたら、昔の自分を…。」と言った。

「昔の私はあんな風に、普通に誰かの為に何かが出来てたなぁ…って。」
「でも今は出来ないから…悔しくて帰ってきちゃった?」

イケチヨに言われて、カノンはブランコを止めた。しばらく自分の本音を探すようにじっと考え込んだあと顔呟いた。

「っていうか…たぶん…怖かったんです。見てるのが。」

タイヘイに限ってそんな事はないとは思うけれど、ちょっと前のカノンのように、差し伸べた手を払われたり、睨まれたり、哀しくて寂しい気持ちになって他人が信じられなくなってしまうのじゃないか。そう思うと怖くて見てられない。幸太郎だって、守谷のように嬉しそうに「元気になれた」と喜んでくれていたのに、手酷く裏切られた。もしタイヘイが同じ思いをする事になったら…。 

「見ててやって。何がどうしてって風には言えないけど、
 あんたとタイヘイは、2人で一人の仮面ライダー 2人で1人って気がするんだよ。
 …だから、見ててやって?タイヘイの事。」

2人で1人…そう言われるとなにか「絆」を感じちゃいますよね。ちょっとやそっとじゃ切れない、特別な結びつき。穿った見方なんですけど、カノンは見てるのが怖い…と言ってますが、多少の「嫉妬」も感情もあったかもしれないな~と感じたんですよね。カノンを大学に送り迎えしてくれたり、ずっとそばにいてくれたタイヘイが、守谷と言う男と出会って意気投合し、”カノンをほっぽらかして”守谷を元気づけようと懸命になっている。ちょっとくらい「面白くない」と思っちゃうな、私なら。男女間の感情でなくても、友人同士とかでも同じ事がありますが。

オタキ婆の「全くタイヘイときたら、カノンちゃんをほっぽらかしてどっかの誰かと飲みに行っちゃうなんて、困ったもんだね!」と言う言葉に答えたカノンは、「でもそれがタイヘイさんの良い所なんだと思います」とニコニコ笑って言ってましたけど、なんとなくマークが見えた気が…(笑)

2人で1人…今のカノンにとっては魔法の言葉だったかも。



タイヘイと守谷は屋台のおでん屋ですっかり出来あがっていた・・・・・・・・。知り合って立った1日で守谷は”もっちゃん”になっている。

「なぁもっちゃん!何はなくてもよ、信じあう心と心だべ?」

カノンはへべれけに酔っぱらったおじさん2人の間に、「探しちゃった」とひょっこりを顔を出した。そして3人は並んで飲んだ。タイヘイと守谷は路上ライブをするらしい。久しぶりにしこたま酒を飲んだ守谷は、妙なテンションで「夢は紅白出場でございます」とおどけてみせた。楽しそうにコップ酒を開けるタイヘイと笑いあいながら、カノンはしみじみ考えた。

私はたぶん、タイヘイさんのこの笑顔が好き。
だから、守谷さんとの事も、上手く行く方に心の中で賭けて見てる気がします。
神様、きっと上手く行きますように。

酔っ払ってご陽気になってる守谷。タイヘイはおでんを喉に詰まらせてむせた拍子にオンバケに姿になってしまった。一瞬で人間の姿に戻ったから守谷には気づかれなかったですが。そうか、カノンは小さい頃にオンバケ姿のタイヘイを見た事があったんでしたっけ。

ひとしきり飲んだ後、駅の前でタイヘイ達と守谷は別れた。大きな声で「じゃあな」とタイヘイ達に手を振り一人になった時、守谷の顔から笑顔は消えた。

カラオケ店でも、おでんの屋台でも、守谷はタイヘイの真っ直ぐな気持ちに引っ張られるようにして、歌ったりへべれけになるまで飲んではしゃいだりして、不条理を笑い飛ばし、前向きに生きて行く事をアピールしていたけれど、実は辛い現実を頭から振り払おう、忘れようと無理しているように思えました。タイヘイと一緒に盛り上がっている間は良かったけれど、別れてひとりになったとたんに、現実に引き戻されちゃったかな。人が人を信じる心が大切と言う事。路上ライブ。この歌のおかげで頑張れる気がする…と、どんなに自分を騙しても、どんなに自分を誤魔化しても、現実からは逃れられない。大人は厄介です。



来週は、守谷にさらなる不条理が。
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路地裏のノラ

Author:路地裏のノラ
高岩成二さんのファンです。
仮面ライダー大好きです。
来世は絶対男に生まれ変わってJAEに入って、仮面ライダーを目指します。

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