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仮面ライダーW 第38話 『来訪者X /ミュージアムの名のもとに』

最初に言っておく。今更レビューですみませんすみませんw。

「ボクの記憶を消した…?何の記憶を…??!!」
「…そ…それは…家族の…記憶を…。」


フィリップはミュージアムによって家族の記憶を…消されていた…。
山城博士の胸倉を掴んでいた手を離し、フィリップはゆらりと力なく立ちあがった。少し離れたところで、アクセルとホッパーの激しい戦いが続いているが、そんな大騒ぎもまるで聞こえていないかのように茫然と立ち尽くす。翔太郎も、チラリと戦いに目をやっただけで、すぐに視線をフィリップに戻した。

ちょこまかと逃げ回るホッパーを捕らえようと、アクセルはエンジンブレードを投げ捨ててトライアルにチェンジした。強靭な脚力で飛び上がり空中から攻撃してくるホッパーの蹴りと、トライアルの超高速連続キックが激しくぶつかり合う。拮抗する力に弾かれてトライアルが後ろに吹っ飛ばされた。すばやく体勢を立て直したが、既にホッパーの姿はそこには無かった。

「逃がしたか…!」

竜も変身を解いて翔太郎達の元へ歩み寄る。助かったのか…?!山城博士は命拾いした事を確認するように叫んだ。フィリップは山城博士によって知らされた真実の衝撃に打ちのめされ、皆に背を向けて茫然と立ち尽くしたままだ。

「山城博士。どういう事だよ。
 あんた…無理矢理研究させられてたんじゃないのか?!」

翔太郎が怒りを含んだ声で博士に詰め寄った。攫われて強制的に研究をさせられていた…竜に問われ、山城博士は確かにそうだと答えた。だが、ホッパーは言った。「ミュージアムで散々美味しい思いをしたじゃない…」と。博士はガイアメモリ開発に関わって園咲から恩恵を受けていたばかりか、フィリップの記憶まで弄っていたという事実。その事に翔太郎もショックを隠せなかった。
山城博士は自分を正当化するように声を荒げて釈明した。

「園咲琉兵衛は、私の研究に必要な施設と予算を総て用意してくれた!
 科学者としてはね、そんな魅力的な誘いを…断れるわけがないっ!!」

「あんたなぁ!!」

翔太郎が険しい顔で山城博士を睨みつける。その時、ずっと無言のまま背を向けて居たフィリップが、静かに口を開いた。

「博士…。ボクの家族を知ってるんですか…? ………どうなんです?」

虚ろな瞳で振り向いたフィリップの視線から逃れるように、山城博士は落ちつかない様子で手をもみしだきながら「知らない…」と言った。

「わ、私は…ただっ…記憶を、消しただけだよ。
 く、詳しい事は…何も知らないっ…。」

ガイアメモリ開発に関わっていたのなら、超常犯罪捜査課の管轄だ。

「ミュージアムについて知ってる事をじっくり聞かせてもらうぞ。」

照井竜が山城博士を警察に連行していった。
フィリップの家族…。の物語の最初の方で出てきた、フィリップの記憶の底にわずかにこびりついていた家族の残像が思い出されます。あれはかつての園咲家の姿だったという事ですね。幸せそうにみんな笑っていたのに。なぜこうなってしまったんでしょう。
フィリップの思い詰めた横顔が切ない。


「加頭くん。わざわざ君が来た用件を聞こう。
 一体何を心配しているのかね?財団Xは。」

あの白い詰襟スーツの男は、財団Xからの使者だった。加頭…と呼ばれたその男は琉兵衛と差向いに座り、ひどく事務的に用件を切り出した。

「弊社とミュージアムとの間に締結したガイアメモリ開発計画において
 ここ一年間、約12%の遅れが生じています。」

「細かいな。大した数字ではない。」

いつものように泰然と笑みを浮かべる琉兵衛の顔を無表情に見つめていた加頭の手からティーカップが離れ、彼の足元で粉々に壊れた。琉兵衛の笑みが消え、険しい表情で加頭から視線を外した。

「園咲さん。投資先はお宅だけではないのですよ?」
「わかっている!!」

ダンッ!!と琉兵衛がテーブルに両拳を叩きつける。琉兵衛が感情を顕わにするのは珍しい。普通ならこれだけで気圧され、竦んでしまいそうだが、加頭は眉一つ動かさずに「では、具体的な修正案をお聞かせ願いますか。」と冷徹に言った。琉兵衛はミュージアムの首領の顔になって重々しく修正案を告げた。

「前任者を更迭。
 代わりに私が最も信頼する有能な人間に全指揮権を与える。」

「下のお嬢様ですね?」

加頭の問いに琉兵衛は答えなかった。
2人の会話をカーテンの陰からじっと聞いていた若菜が、追い詰められたような顔をして部屋を出て行った。望むと望まざるとに関わらず、若菜はミュージアムの中核へと組み込まれていく。そこに彼女の意思など入る余地はない。



その頃フィリップも事務所の壁際のテーブルに肘をつき、じっと俯いて思いに沈んでいた。
家族の記憶を消されていた…その真実から受けた衝撃は大きく、亜樹子が言うにはフィリップは昨夜は眠れなかったようだ。自分の家族の記憶を消されたなんて言われたら、誰だって動揺するさ…。心配そうな亜樹子に翔太郎はそう言った。今はそっとしておこう。

「写真撮ろう!!」

亜樹子が唐突に言い出し、あっけにとられている翔太郎を強引にデスクから引っ張り出した。ほら、フィリップくんも一緒に!と彼の肩を叩く。物思いに沈んでいたフィリップがビクンと反応して、のろのろと振り返った。そっとしておけと言ったのに…「おい、亜樹子!」翔太郎が亜樹子に釘を刺す。
 
「今まで3人一緒に撮った事ないじゃない。
 それに、私たちだって家族みたいなもんだし。」

だから一緒に写真を撮ろう。亜樹子の意図を察して、翔太郎が「…だな。」と呟いた。

「おい…フィリップ。」
「…ああ。」

翔太郎の呼び掛けに、フィリップはようやく笑みを見せて立ちあがった。亜樹子がホッとしたように笑ってバットショットにメモリをセットした。翔太郎を真ん中に3人が並び、宙へ飛び上がったバットショットに笑顔を向ける。しかし、ベストショットを撮る事は叶わなかった。ハイ、チーズ!…と亜樹子が言い終わる前に、横合いから突っ込んできたスタッグフォンに弾かれて、微妙なタイミングでシャッターが押されてしまった。写真を確認した亜樹子が「これはひどい…」と嘆く。

「すまない。電話みたいだ…。」

フィリップはスタッグフォンを耳に当てた。

「…フィリップくん…この前の約束、覚えてる?
 この街から一緒に逃げて…!
 どこか知らない場所で、あなたと二人で生きたいの…。」

電話の向こうで若菜は泣いていた。風都大橋で2人でかわした他愛もない約束。フィリップは軽い冗談くらいにしか思っていなかったのに、若菜には唯一のよりどころだったのだろう。

「今日の午後2時…風都駅に来て…。待っているから…。」

戸惑うフィリップを余所よそに、若菜は時間と場所を告げ、返事を待たずに電話は切れた。
財団Xからの使者・加頭の来訪によって、若菜は追い詰められていく。父・琉兵衛は本気で若菜をミュージアムの後継者に据えようとしている。若菜には時間が無かった。誰にも知られないうちにフィリップとこの街を出よう…そう決心した若菜だったが、ミックが総てを聞いていた。

ミック様のまあるい背中…うふふふ♡

フィリップは苦悩した。通信の切れたスタッグフォンを見つめ、途方に暮れたように翔太郎と亜樹子を見、挙句、簡易ベッドに座りこんで頭を抱え込んでしまった。まさか本気だったなんて。



園咲冴子は風都ホテルのベッドの上で目を覚ました。

「お目覚めですか?」

冷然とした男の声に慌てて飛び起きると、窓際に白いスーツの男が背を向けて立っていた。誰?という問いかけに、ゆっくりと振り向いたその男の感情の読めない白い顔は、得体の知れない不安を掻き立てた。この男はただ者ではない…。

「誰なの!?」

冴子は怯えたようにガウンの襟を合わせた。そして不安げにあたりを見回す。ここは一体どこ…?その疑問を察したように、白いスーツの男…加頭は「風都ホテルですよ。」と告げた。

「泥のように寝てましたよ。よほど逃亡生活が堪えたようですね。
 園咲冴子さん?」

彼は冴子から視線を外すと、手を後ろに組んだままベッドの前を横切り、冴子には一瞥もくれずに隣の部屋へ歩いて行った。この男は私の正体を知っている!?冴子はサイドテーブルに置いてあった自分の服に飛びついて、タブーのメモリを探し始めた。無い…!無い…!

「探し物ですか?」

隣の部屋から、加頭の冷ややかな声が聞こえてくる。冴子が血走った目を向けると、扉の向こうに、ソファに座った加藤の背中が僅かに見える。

「これならありましたよ。」

加頭の左手がす…っと真横にさし上げられた。その手にはドライバーが握られている。

「返して…!!」

冴子は慌ててベッドから飛び降り、転がる様にして駆け寄ったその鼻先で、加頭の手から離れたドライバーが床に落ちて部品が飛び散った。

「壊れてましたけど。」

いや、今あんたが壊したんでしょww!!と思わず突っ込み入れちゃった人が全国に何人いたでしょうか。私はつい釣られてしまいました。

唯一、冴子に残されていた父に抗う力…ドライバーが壊れてしまった。肝心のタブーのメモリもどこかに行ってしまった。もうタブーに変身する事は出来ない。冴子はヘナヘナと膝から崩れ落ち、震える手で壊れたドライバーを拾い上げた。

「あなたは総てを失った。でもご心配なく。まだ逆転のチャンスは十分あります。
 私の言う通りにすれば。

冴子にはもう選択の余地はない。
無表情だった加頭が初めてニヤリ…と笑った。

加頭…井坂先生とはまた違った得体の知れない怪しさがありますね。井坂深紅郎が蛇の様なぬめぬめとした厭らしさ、冷酷さ狡猾さを持っているとしたら、この男は無味無臭無色透明な毒をその身の内に隠していて、まるでお茶でも淹れるように躊躇なく使える…そんな無機質な冷たさを感じます。頭も切れそうだし。こういう敵キャラは嫌いじゃないです。むしろ好みです。

加頭は園咲琉兵衛にビジネスパートナーとして開発計画の見直しを迫り、一方では園咲冴子を手元に確保して思い通りに使おうとしている。表向きはミュージアムを支援する財団Xの使者という事になってますけど、腹に一物持っているようですね。彼の目的は一体何なんでしょう。



風都署・超常犯罪捜査課で、照井竜が山城博士を尋問している。
超常犯罪の場合は署の取調室を使わせて貰えないんでしょうかね。

「山城博士。まだ何か隠している事があるんじゃないか?」

竜の言葉に便乗して、真倉も山城博士の耳元で「いい加減で吐きやがれ!」と乱暴な言葉でが鳴りたてる。しかし博士は固く口を閉ざし、じっと俯いたまま微動だにしない。真倉はウンザリしたようにため息をついて、博士の隣にしゃがみこんだ。
自分のデスクで山城博士のトレンチコートをガサガサと調べていた刃野が立ち上がり、一息入れましょう…と茶筒に手を伸ばした。が、あいにく愛飲のコブ茶は切れていたので、刃野は当然のように真倉を買いに走らせた。真倉は不満そうに口をとがらせ、それでも渋々と部屋を飛び出して行った。

「誕生日だったんです…。」

山城がおもむろにポツリ、ポツリと話し始めた。

山城が誘拐された日…それは彼の息子の7歳の誕生日だった。抗う事も出来たかもしれない。けれど、研究に魅せられた山城は自らの意思で家族を捨てたのだ。今更家族に会う資格など無い事は、山城自身も重々承知している。だけど、せめて一言…どうしても一言謝りたい…。絞り出すようにやっとそれだけ言い、山城は泣き出しそうな顔で小刻みにうなずいた。
その時。

ガタン!と大きな音を立てて扉が開き、コブ茶を買いに出た真倉が、なぜか後ろ向きに部屋に入ってきた。「ずいぶん早かったな。」と刃野が声をかけると、真倉がゆっくりと振り返った。その口と鼻には、ぎっしりとイナゴが詰め込まれていた…!!ひきつけを起こしたような奇声を発して真倉が昏倒する。その背後から現れたのは、一人の婦警。紫の瞳、紫のルージュ、そして手にはあのイナゴケースが握られている。

「食べるゥ?」

「イナゴの佃煮はね、うん、実は好きなんだよ。」

無防備に女に近づいた刃野は、彼女の強烈なハイキックに蹴り飛ばされて、頭から段ボールの山に突っ込み昏倒した。今回は吹き替えなしですね(ガッカリ…)刃野さん、段ボールに突っ込むキャラとして定着しそう。

「貴様…!!」
 
竜が立ち上がって身構えた。女は素早く山城博士に駆け寄ると、片足でその首を締め上げてホッパーのガイアメモリを取り出した。

「今度こそ、いただきまーす!」

すかさず竜もアクセルメモリのスイッチを押しアクセルに変身した。アクセルがホッパーに組みついて格闘を始めた隙に、山城博士は自分のトレンチコートを引っ掴むと、後も見ずに逃走した。すぐに後を追うホッパー。

先週のウォッチャマンに引き続き、山城博士もなかなか役得な(笑)それを正面から見ていた竜も実は役得だったりs…すみません、オヤジな発言自重。だって佃井さんの足が綺麗なんですもん。間近で見たいですねぇ…あの綺麗な蹴り。
見たじゃん、FEB.のイベントで。そうでした(^^;)>



人波を縫うように逃げ惑う山城をホッパーが追い詰める。人々は突然出現した怪人に怯え、悲鳴を上げながら逃げて行く。人気の少なくなった広場にバイクフォームのアクセルが走り込んで来て、ホッパーを跳ね飛ばした。三度みたび命拾いした山城は、地べたを這うようにしてその場を逃げて行った。
アクセルに跳ね飛ばされたホッパーは、アクセルから逃れる為に偶々近くにいたOLの腕をグイと掴むと、階下に投げ落とした。いつの間にかトライアルにチェンジした(?!)アクセルが素早く飛び降り、悲鳴を上げて落ちてくるOLを抱きとめる。アクセルに助けられたOLの橋口さん(真剣黄)は、お礼も言わずにその場を立ち去っていった。ホッパーはその隙に姿を消していた。

あんなに怖い目に遭って、すぐに階段を駆け上がっていけるなんて、なんて肝の据わったOLさんなんだろう。さすが風都(Σ ビシッ! 関係ない)



スタッグフォンのおかげで残念なアングルになってしまった写真を、亜樹子はとりあえずプリントアウトした。思いっ切り左に寄って傾げた構図の写真の中で、3人は一様に吃驚したような顔で口を開けている。揃いもそろってなんて間抜け面。始めて3人で一緒に撮った写真…。

「フィリップくん、どうする気?
 まさか…若菜姫と一緒に町を出るなんて言わないよね?
 ………一緒にいよ?」」

亜樹子はフィリップに写真を差出した。苦悩するフィリップは、写真を受け取るとポツリ…と呟いた。

「若菜さん…とても真剣だったんだ…。」

亜樹子はフィリップを繋ぎとめようと必死に訴えかけた。若菜は園咲の…悪の組織の大幹部ではないか、これは絶対に罠だ、行っちゃダメだと…絶対にダメだと…泣きそうになりながら叫んだ。

「翔太郎くんも黙ってないで止めてよォォ!!」

「これは…フィリップが決める問題だ…。」

椅子に深く腰掛けフィリップに背を向けて、何も言わなかった翔太郎が静かに言った。

「男の仕事の8割は決断…あとはおまけみてぇなもんだ…。
 …どうすんだ?フィリップ。」

翔太郎はゆっくりと首を回してフィリップの答えを待つ。決断を迫られたフィリップは、はっと立ち上がり手の中の写真をじっと見つめて、一言一言を噛みしめるように話し始めた。

「翔太郎、亜樹ちゃん。君たち二人は僕の大切な仲間だよ。かけがえのない家族だよ。
 君たちと別れるなんて考えられない。」

微笑みを浮かべて写真を見つめるフィリップの穏やかな表情。
亜樹子が嬉しさのあまり泣きだしそうになりながらフィリップの名を呼び、固唾を飲んでフィリップの決断の言葉を待っていた翔太郎も、ホッとしたように顔を歪めて笑った。

「でも!若菜さんをほっとく事も出来ない!あああ…!」

結局まだ決めてないんかいっ!!」 

シリアスで感動的なシーンだと思ったのに、オチがあった(笑)
フィリップの脳天に亜樹子の『どっちやねん!』スリッパがスッパーンと炸裂する。どうしよう、どうしよう…とうろたえるフィリップ。約束の時刻も迫っている。
すっかり気が抜けた翔太郎が、呆れたようにため息をついて言った。

「しっかたねぇ~、とりあえずは…駅まで行くしかねぇだろ?」



アクセルとホッパーの前から逃げ出した山城博士は、妻と息子が現在住んでいる家の前に姿を現した。


…アクセルとホッパー…なんかどっかで聞いた事のある言葉…。アクセルホッパーって、アレですよね。
 ポンポンスポポーン ポンスポスポポーン 
 おバカなテンポとおバカなダンスで サタデーナイトにバカ集合!

…って、エンタで一世を風靡した(笑)仮面ライダーアクセルとホッパードーパントを並べて書いたら、なんか残念な感じになってしまった。アクセル×ホッパー。
バカテンポ。(やめなさいて)

うろうろと中を窺っていた所に、息子が自転車で帰宅した。山城は慌てて近くの植え込みに身を隠した。玄関の扉が開いて、帰って来た息子を出迎える母…。懐かしい妻の姿。あの時7歳だった息子はすっかり大きくなっている。「今更会う資格などない…」そう言っていた筈なのに、山城博士は嬉しそうに家族の元へ歩み寄ろうと、植え込みを出た。
本当に自分勝手な男ですね。山城博士って。自分がやりたいと思った事には自制心が利かず、常に自分事が最優先で…本当に、子供の様な人なんだなと思います。

家族の元に歩み寄ろうとした博士の背後から、不吉な死神の声がした。

「は~かせ。」

驚愕に目を見開いたまま、山城博士はその場に崩れ落ちた。博士の息子・翼がふと何かの気配を感じて振り向いた。だがその目に父の姿を見る事は無く、彼は首をかしげて家の中に入って行った。

「ご馳走様♡」

アクセルが駆けつけた時、山城博士はホッパーの足元で苦しそうに身体を縮めて地面に転がっていた。息を飲むアクセル。「遅かったわね、もう終わったよ?」ホッパーはクスリと笑い、アクセルの肩を蹴って逃げて行った。アクセルが後を追いかけて行った後、山城博士は震える手で携帯電話を取り出した。



フィリップと翔太郎は、若菜との約束の場所へと出かけて行ったらしい。一人事務所で留守番をしている亜樹子は気もそぞろで、コーヒーのカップを角砂糖で一杯にしてしまった。

その時、事務所の電話が鳴った。



翔太郎とフィリップを乗せたハードボイルダーは、約束の20分前に風都駅に到着した。若菜の姿はまだ見えない。ここで若菜が来るのを待つ間に、フィリップは決断を下せばいい。ところが。
スタッグフォンが鳴り翔太郎が出ると、ひどく動揺して取り乱した亜樹子の叫び声が聞こえてきた。

「山城さんが大変なの!!び…病院…
 フィ、フィリップくんに、どうしても伝えたい事があるって!!」

山城は風都中央病院に運び込まれたらしい。

「行くぞ、フィリップ!」

翔太郎は迷わずハードボイルダーに乗り、フィリップに声をかけた。でも、今ここを離れたら、若菜との約束に間に合わない。どうしよう。翔太郎はもうハードボイルダーのエンジンをかけてフィリップが乗り込むのを待っている。刹那の決断。若菜の切羽詰まった様子も気になるが、山城博士が瀕死の床で、フィリップに何を伝えようとしているのか、それは重要な事に思える。フィリップは後ろ髪を引かれる思いでハードボイルダーに乗り込んだ。

フィリップと翔太郎が風都駅を後にして走り去った直後、入れ違いに若菜がスーツケースを引いて駅に到着した。時間はあと20分ほどある。フィリップの姿は無い。若菜は不安そうにあたりを見渡した。

「フィリップくん、きっと来てくれるよね…?」



ホッパーを追っていったトライアルは、超高速の戦いの末、マキシマムドライブを発動した。マシンガンスパイクが綺麗なT字を描き出し、爆炎と共にメモリブレイクされたホッパーが力なく膝をつき前かがみにゆっくりと倒れ込んだ。変身を解いた竜が手錠を手に女に近づいた途端、女は髪を振り乱して立ちあがり、隈に縁取られた紫の瞳でじっと竜を睨みつけた。

「まだそんな力が…!!」

竜が一瞬怯んだ隙に、女は逃走を図って宙高く飛び上がったが、彼女が再び地面に降り立つ事は無かった。横合いから飛び出して来たスミロドンが空中で彼女の身体を鋭い爪で引き裂いたのだ。女は断末魔の悲鳴を上げて砕け散り、霧散して消えた。

「口封じか!」

スミロドンはおのれの任務を完了すると、アクセルメモリを構えた竜を威嚇するように唸り声を上げ、身を躍らせてその場を去っていった。

あああ…佃井さんが砕けちゃった(TT)もったいn…このままレギュラーに定着するかと思ったのに。なかなかインパクトのある素晴らしいキャラでしたよねぇ。「食べるゥ~?」という口調も絶対どこかで使ってやろうと思っていたのに。使いますけどね、隙あらば。
あ~あ、ゲストキャラで終わっちゃった…ああ、勿体ない。佃井さんの太もm…足技!もっと見たかった。



翔太郎とフィリップが病室に駆けつけた時、山城博士の命は消えかかっていた。翔太郎に促されてフィリップがこわごわと博士の傍らに跪き、顔を寄せて呼びかけた。博士はうっすらと目を開けてフィリップに目を遣り、酸素マスクでくぐもった弱々しい声で語り始めた。

「私は本当に自分勝手な人間だった…。ゆ…許してくれ…。」

フィリップは山城博士の謝罪を受け入れ、小さくうなずいた。

「ボクに伝えたいことって、なんですか?」

山城博士は震える手で酸素マスクを外した。

「君の…本当の名前は…そ…園咲…来人。」
「!…それじゃ、フィリップは…!」

「園咲琉兵衛の…実の…むす…こ…」

命の最期の一滴を振り絞って、ようやくそれだけ告げると、山城博士は事切れた。あれほど切望していた家族との再会も叶わないまま…博士は逝ってしまった。フィリップに衝撃と絶望を残して。
医師が直ちに山城博士の死亡を確認する。

今際の際に彼は何と言った…?フィリップはよろよろとベッドを離れ、たった今聞いた信じられ無い事実を俄かには受け入れられずに茫然と立ち尽くした。グズグズと足元が崩れ、漆黒の闇の中に放り出されたような絶望。

「ボクは…園咲…来人…?」

フィリップの脳裏に、ふと風都大橋での若菜との会話が甦る。
 
  こうしてあなたといると、心が安らぐ…。
  ボクもです…。


フィリップの頬に一筋の涙が流れた。
安らぐはずだ。彼女はフィリップの…本物の家族だったのだから。
悪の枢軸・園咲家にあって、彼女だけはミュージアムの仕事に疑問を持っていた。彼女だけは宿命から逃れようとしていた。彼女だけは…。

病院を出たフィリップはおもむろに顔を上げ、翔太郎と亜樹子に背を向けたまま決断を告げた。

「ボクは決めた。若菜さんと…この街を出る。」

「フィリップ。
 それがどれだけ大変で…どれだけ危険な事かわかった上での決断なんだろうな?」

「ああ。彼女は苦しんでいる。ボクが支えてあげなくちゃ…。
 だって…家族だから。」

フィリップは翔太郎を振り返り、泣きそうな顔で微かに笑った。翔太郎はニヤリと笑って、そしてやはり一瞬顔を歪めて、なら俺は何も言う事はねぇ…と背を向けた。

「さぁ…早く行ってやれ。」

相棒を見つめるフィリップ瞳は、沢山の思いに溢れていたに違いない。あのビギンズナイトの出会いから今日までの想い出と絆…。家族の記憶を持たないフィリップにとって、翔太郎と亜樹子は家族だった。
亜樹子がフィリップの傍らに寄り、涙を堪えて言葉をかけた。

「さよならなんて言わないから。」
「亜樹ちゃん…。
 …じゃあね。」

背中越しに…最後に2人にチラリと視線を送り、フィリップは振り返りもせずに行ってしまった。

「園咲琉兵衛の実の息子」…おやっさんの『Nobody's Perfect』がここでかかるのか…!と。卑怯だなぁ…胸にグッと来てしまいました。吉川さんの歌声が優しすぎて切ないんですよね。



約束の時間はもうとっくに過ぎていた。それでも、フィリップを信じて待ち続ける若菜。その時、背後に覚えのある禍々しい気配を感じ振り向いた。足元に押し寄せる闇の瘴気の中から、ゾッとするような哄笑と共にテラーが姿を現した。

「さあ、一緒に来なさい。」

若菜の意思など関係ない。テラーは有無を言わさずに娘を己の結界の中に引き摺りこんで連れ去ってしまった。若菜が連れてこられたのは、巨大なプラントのようだ。不安げにあたりを眺める若菜に、琉兵衛はこう告げた。

「これこそがお前が継ぐべき組織の真の姿…。
 もう、自分勝手なわがままは許されない。
 お前の双肩には、この星の運命がかかっているのだ。」

「この星の運命…?」

「若菜。お前こそがミュージアムそのもの。

え?どゆこと?若菜にもフィリップ同様に何か隠された意味があるという事なんでしょうか?



フィリップが風都駅に到着した時には、既に約束の時間から1時間が経過していた。そこには若菜の小さなスーツケースだけがぽつんと残され、若菜の姿はどこにも無い。まさかもう行ってしまったのか…。フィリップは急いで駅のホームまで行ってみた。と、その時フィリップのスタッグフォンが鳴った。

「もしもし?若菜さん?今どこに?」

「後よ。」

振り返ったフィリップの前に若菜が立っていた。

「来てくれたのね。…来人。」

若菜さん…!表情を和らげて歩み寄ろうとして、フィリップの顔から笑顔が消えた。今彼女は、来人…と呼びかけはしなかったか?

「ずっと死んだと思っていた私の弟…。」

若菜の口からフィリップの素性が語られた。フィリップは若菜の弟。
2人を取り巻く世界から音が消え、空気が粘度を増したように歪んだ。目の前にいるのは確かに若菜だが、でも何かおかしい。

「ボク…何にも覚えてなくて…でもやっとわかりました。
 どうして一緒にいると心が安らいだのか。ボク達が…家族だったから。」

「そうよ。私たちは家族。園咲に生まれた人間。…来人。
 あなたの命をもらうわ。ミュージアムの為に!! 

若菜は冷たい目でフィリップを見つめ、クレイドールに変身した。フィリップの目が驚愕に見開かれる。あたりに人々の悲鳴が響き渡り、ホームにいた人々が一斉に逃げ惑う。若菜…クレイドールは真っ直ぐに左手の発射口をフィリップに向けると、何の躊躇いもなく光弾を撃ち出した。



翔太郎と亜樹子は事務所にも帰らず、気が抜けたようになって公園のベンチで呆けていた。

「フィリップくん今頃どうしてるかな…。」
「そりゃおまえ…電車の中だろう…。」
「…だよね。」

いつもはドツキ漫才の様な掛け合いが売りの(別に売ってないか ^^;)2人のやり取りも精彩を欠いている。ぼーっとベンチに寝っ転がっている翔太郎のスタッグフォンが鳴った。尻のポケットから取り出して見ると、フィリップからの電話だ。別れを交わしたばかりなのに一体何があったのか。
翔太郎は表情を引き締めて座り直した。亜樹子心配そうに寄ってきて隣に座った。

「どうした?」
「し…翔太郎!!変身するよ!!」
「おい、何があった!?」
「いいから!!!」
「わかった」

何があったのかわからないが、電話の向こうのフィリップはひどく追い詰められている。翔太郎は直ちにジョーカーメモリをドライバーに差し込んだ。
久々のファングジョーカー!!

意識だけがの元に飛んだ翔太郎は、目の前に広がる光景に愕然とした。フィリップは若菜と一緒に町を出ると言って駅に向かったのに、目の前にはクレイドールが、周りには大勢のマスカレードがいてファングジョーカーを取り囲んでいる。ファングジョーカーの右手がクレイドールを指差す。

「あれが…若菜さんだ。」
「なんだって!?」

襲いかかるマスカレードと戦いながら、フィリップの心は慟哭していた。

 あのドーパントが…ボクの姉さんだ!!ぼくにはわからない!!
 どうしてこんな事になっているのか!!

行き場の無い思い、戸惑い、哀しみ、驚き、疑問、混乱、動揺…フィリップは心に渦巻く感情を叩きつけるように、ファングストライザーでマスカレードどもをあっという間に殲滅した。
残るはクレイドールただ一人。

「教えてくれ。…何があったっていうんだ?!」

”フィリップ”は悲痛な表情で”若菜”に問いかけた。

「私の使命を理解しただけよ!」

叫ぶと同時に、クレイドールは光弾を発射した。ファングジョーカーがキックでそれを受け止める。立ちのぼる爆炎。炎の向こうから現れたのは変身が解けたフィリップの姿…。

「来人?あなたも自分の使命を思い出しなさい?」

声だけを残し、クレイドールは姿を消した。ゆっくりと膝から崩れ落ちたフィリップは、そのまま地面に突っ伏して慟哭した。哀しみと憤りと…血を吐くような心の叫び…。

なぜ、どうしてこんな事になってしまたのだろう。



園咲家の大階段で、若菜は加頭とすれ違った。

「お邪魔しました。」
「ねぇ、今度用件のある時は、父では無く私に伝えてくださる? 
 よろしくって?」

階段の最上に凛然と立ち、加須を見下ろす若菜の顔は、まるで別人のように冷淡で威厳に満ちている。加須は僅かに会釈して無言で園咲家を後にした。
一体何がここまで若菜を変えてしまったのか。そして冴子を利用して加頭は何をたくらんでいるのか。そしてシュラウドは。園咲家内部も複雑に絡みあってますね。一体どうなっているのか。

女豹な冴子さまもゾクゾクしますが、黒若菜姫も美しいですな。



【報告書】

フィリップは、またここに戻った。
でもヤツにとって状況は全く変わってしまった。
受け止めるには…その現実はあまりにも過酷で……。


…と、フィリップは部屋の片隅で膝を抱えて物思いに耽り、翔太郎のモノローグでシリアスな締めになりそうなのに、亜樹子の素っ頓狂な声で台無し(笑)

「出来たー!!ついにホームページを立ち上げたわよ~ん。
 これで依頼倍増間違いなしね!」

亜樹子は満足そうにうなずいた。パソコンを覗き込んだ翔太郎が絶叫する。

「な"wwwwww!!全くハードボイルドじゃねぇwww!!」

亜樹子は本当はあの写真を使いたかったのだ。撮り損ねた3ショット。
だけど私たちらしい…そう言ってニンマリ笑う亜樹子。翔太郎も半笑いになって「まあな」と認めた。翔太郎は、赤いソファに座ってぼんやりと沈んでいる相棒の横顔そっとを見やった。

 フィリップの本当の名前は園咲来人。
 でも俺たちにとって、やっぱりフィリップはフィリップだ。


翔太郎はとりそこないの写真を眺めて心の中で呟いた。



うわ~ん、怒涛の展開。フィリップの心が辛いですねぇ。でもどうやら次回は…13日は放送お休みですから20日ですね…コメディ回らしいですね。牛のぬいぐるみを持ったとか、岩船山に変な扮装の人たちと集結する鳴海探偵事務所と愉快な仲間たちとか。

でも、園咲家のみなさんはシリアス展開みたい。ナスカにそっくりなオレンジのドーパントとか、冴子さんはガイアメモリをドライバーでは無く生体コネクターに挿してましたし。

…若菜姫は本当に黒若菜姫になっちゃったのかな。予告で一瞬映った哀しげな表情が気になります。あの光る石もなんなのか。

そうそう、20日のに、渡辺淳さんが映写技師役で顔出し出演されるようです。


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第38話感想

ノラ様、おはようございます。
両番組とも、新展開となったSHT。

ダブル>
・フィリップの正体が、正式にばれる。本名「園崎来人」
 二つの「家族」の狭間で葛藤するフィリップ。

・その状況を見守る翔太郎。鳴海探偵長の影に、漸く追い付いたか?

・先週に引き続き、昭和のオマージュたる「戦闘員バトル」

・待ち合わせていた処を琉兵衛に連れ戻され、闇堕ちして再登場した若菜。
 石ノ森作品モチーフ「親殺し」「姉弟殺し」ストーリーの開始?
 「ミュージアム」「シュラウド」「財団X」と、三つ巴の抗争か。

銀英伝舞台>
情報喜んで頂き、嬉しく思います。
発表当初、銀英伝ファン、松坂ファンからの反響大でした。
それだけ、この作品に注目が集まっている、証左かと思います。

作品世界を掴む為に、小説全十巻の内二巻まで。
OVAシリーズ、同じ内容の七巻までを、ご覧になる事をお薦めします。
尚、ラインハルト声優は、アクマロ役の堀川りょう氏が務めています。

こんにちわ、M NOMさん!

Wは、いよいよ最後の1クール突入ですね。

フィリップが冴子さんに「来人」と呼ばれた時から、彼は園咲の人間なのだろうという事は予測がつきましたが、真実を知ったフィリップの苦悩が見ていて辛いですね。

物語の始めの頃、フィリップは“家族”というキーワードに過剰反応していましたから、”家族”というのはフィリップの中でとても大きな意味を持っているのでしょうね。彼は苦悩と安らぎを同時に手に入れた事になります。その安らぎも闇に落ちて、フィリップは戦わざるを得ない状況になってしまいました。

創造主や肉親と対立するのは石ノ森作品には多い展開ですよね。Wもこれまでもなんとなく匂わせてはいたけれど、ハッキリとした展開になってきました。
Wって、本当に何から何まで昭和をオマージュした作品なんですね。
そう言えば、仮面ライダーXは企画段階で「仮面ライダーW(ダブルブイ)」だったという話もどこかで読んだ気がします。

>銀英伝舞台

教えていただいてありがとうございました。先日ゲキ×シネで劇団☆新感線の「五右衛門ロック」を見て来たばかりなので、今、舞台のお芝居を見たい欲求が高まっておりますので、銀英伝も観てみたいですね。殿がどんな皇帝陛下を演じるか、興味があります。
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◎仮面ライダーW第38話「来訪者X/ミュージア...

 ミュージアムの元研究員で脳科学者の山城博士(中西良太)によって、フィリップ(菅田将暉)は家族の記憶を消去されていた。 フィリップの家族? しかし、山城はただ消去しただ...
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高岩成二さんのファンです。
仮面ライダー大好きです。
来世は絶対男に生まれ変わってJAEに入って、仮面ライダーを目指します。

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