スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2

仮面ライダーW 第34話 『Yの悲劇 /あにいもうと』

振り下ろしたプリズムソードを、翔太郎は必死に止めた。刃の下で、雪絵が目と口をきゅうと三日月のように歪めてニンマリと笑う。目の前にいるのが一連の事件の犯人であるイエスタディ・ドーパントだとわかっているのに、人間の姿に戻っただけで攻撃できずにいる翔太郎を、雪絵は嘲る様に声を立てて笑った。そして、悠々と背中を向けると、夕陽の中を遠ざかって行った。

「どうした!なぜ攻撃を止めた?!」

メモリブレイクのチャンスをむざむざと逃した翔太郎に、照井竜がイライラと聞いた。

「生身の人間に攻撃はできない…。
 翔太郎の一番の弱点をついてきた。なかなか切れるよ、彼女。」

やるせない怒りに言葉も無く立ちつくす相棒に代わって、フィリップが答えた。
あれが霧彦の妹。

「昨日は利用するためにあるだと…?」 



不和夕子…と言うのは、『Who are you? ~あなたは誰?~』と言う言葉をもじった偽名だ。

「須藤雪絵は最初からボク達に挑戦してきていた。
 気づかなかったのは…こちらの油断だ。」

翔太郎の脳裏に、嘲笑する雪絵の満足げな顔が浮かぶ。…悔しい。腹が立つ。だが。
それだけじゃねぇんだよ…。翔太郎は顔を顰めて髪を掻き毟った。
雪絵が持っていた霧彦の血で汚れたスカーフ…。

「何かが違うんだよ…。」

この期に及んでまだハーフボイルドな事を言いだす翔太郎に、亜樹子はい苛立ちを隠せない。彼女のせいで、翔太郎は何の関係の無い人を傷つける所だった…と、まるで自分の事のように怒っている。確かにそうだ。操られていたとはいえ、照井竜が止めなければ、は危うく園崎冴子を殺してしまう所だったのだから。確かにその通りだ。それでも、翔太郎には何かが引っかかる。どうしても納得できない。
霧彦が遺したキーホルダーを見た時の、雪絵のあの哀しそうな眼差し…。

「俺の仕事は…まだ終わっちゃいねぇ。」

翔太郎はおもむろに立ち上がり、ガレージから出て行った。



遂に正体を現したイエスタデ。ドーパント=須藤雪絵。
翔太郎の思考・行動のパターンをよく熟知している様な手口で、まんまと騙され、利用されてしまいました。操られていたとはいえ、風都を守る仮面ライダーが何の理由もなく一般人に襲いかかり、危害を加える所だったなんて、これ以上ない失態です。園崎冴子は一般人じゃないけど。
ここまで虚仮にされてもなお、雪絵の裏側にあるモノを考えようとする所が、翔太郎の翔太郎たる所以なんでしょう。フィリップは翔太郎がそう言いだすだろうと予測できていたかもしれないですよね。だからこそ、改めて相棒と呼んだのだろうし。でも亜樹子は怒ってますね。身内を馬鹿にされて自分の事のように怒ってます。そこが亜樹子の良い所。

ところで。
翔太郎のカッコいいシリアスなこの場面で、私は込み上げる笑いを抑えるのに必死で、肝心のセリフを聞き逃すという失態を犯してしまいました。だってね、翔太郎の後ろにあるホワイトボードに、つい目が行っちゃって。

翔太郎 【錯誤帰属】【吊り橋効果】
 ・思い込みが激しいタイプ ・感情的になりやすい ・単純 ・ハーフボイルド
 ・自己陶酔している ・ハーフボイルド ・美人に弱い ・お調子者
 ・ハーフボイルド ・一方的な恋愛感情⇒片想い
 不和夕子が翔太郎を好む確率 2% 


一体何回ハーフボイルドって書いてんだというw。あいあい傘まで書いあるし(笑)。
そんなことが書かれているホワイトボードをバックに背負って真面目語りしている図と言うのがなんだかもう可笑しくて可笑しくて。これか、これがシリアスな笑(ry



タイトルロールに久々に君沢ゆうきさんのお名前があって嬉しかったです。


ここは、ディガル・コーポレーションの屋上なんでしょうか。霧彦さんが散って行った…。
今は、須藤雪絵が立っている。

「会うのは初めてね…義理の妹なのに。」

彼女の前には、既にタブー・ドーパントに変身した園崎冴子がいる。雪絵が不審な動きを見せたら、すぐにでも始末してやろうというつもりなのか。義理の姉妹の対面は緊迫感に満ちている。

「ねぇ、あなたが兄さんを殺したんでしょう?」

雪絵は単刀直入に切り出した。だが彼女は恨み事を言う為にここにいるのではない。兄・霧彦は会社のパソコンの中に日記を遺していたのだ。そこに書かれた驚くべき実態。雪絵はディガル・コーポレーションの裏側と、ミュージアムの存在を知った。
冴子は、すべてを知った雪絵が脅迫に来たのだと思ったのだろうか、掌を上に向けて無造作にこの小うるさい小娘を消そうとした。その時、雪絵が叫んだ。

「勘違いしないで!! 協力したいのよ、貴女に!」

雪絵の意外な申し出に、さすがの冴子も怪訝な顔で(タブーだから顔はわからないけど)真意を伺う様に義妹を見た。雪絵はゆっくりとタブーに向かって歩み寄りながら、兄は小さなプライドの為に、大きな栄光を失った愚か者…と言い捨てた。

「私は違う!もっと凄い事が出来る!仮面ライダーに園崎冴子を襲わせる…。
 イエスタディなんて癖のあるガイアメモリを、こんな風に使いこなせる人間、
 …他にいるかしら?」

つまり、園崎家に届いた手紙は脅迫状ではなく、売り込みだったという事だ。自信家ね、お兄様に似て…そう言いながら、タブードーパントの掌にキュウゥ…とエネルギーが集まり、それは雪絵に向かって放たれた。
雪絵はすばやく攻撃をかわすと、イエスタディに変身してタブーの背後に回り込んで動きを封じた。

「諦めないわよ。必ず私の力を認めさせる…お義姉さん。」

乱暴に突き放され、タブーが振り向きざまに光弾を放った時には、既に雪絵の姿は消えていた。

「ふ…お義姉さん…ね。」

カンカンと階段を上がる靴音が響き、井坂深紅郎が姿を現した。



たくさんの可愛い風車が風を受けて回る。歓声を上げ楽しそうに追いかけっこをする子供たち。幼稚園…と言うには子供たちは大きいから、孤児院の様な施設なのだろうか。門の前には、中の様子をそっと見つめる雪絵の姿があった。

「雪絵ちゃん!!」

子供たちと一緒に遊んでいた一人の初老の女性が、雪絵の姿に気づいて嬉しそうに寄ってきた。

「元気そうじゃない!」
「先生こそ。」

2人は懐かしそうに笑いあった。ここは、幼い頃に霧彦と雪絵が育った施設。
昔からちっとも変っていない。きっと運営も苦しいのだろうがなんとかやっていると、先生と呼ばれた女性は笑顔で答えた。彼女が言うには、つい先日まで地上げ屋に立ち退きを迫られていたのだけれど、なぜかその話が消えてしまったようなのだ。先生は思い立ったように、そうそう、ちょっと待ってね…と、雪絵を待たせて建物の中に何かを取りにいった。
本当にここは、昔とちっとも変っていない。懐かしそうに兄弟で過ごした”家”を眺める雪絵の脳裏に、兄との思い出が甦る。幼い頃、いつも兄と一緒だった。
兄は死ぬ前に、海外に留学中の雪絵に電話をしてきた。雪絵は何も知らずに、結婚した兄にお祝いを言い、海外での暮らしの近況なんかをこまごまと楽しそうに報告した。この世でたった2人の兄妹、たった2人の家族。まさか、電話の向こうで霧彦が、兄が瀕死の状態を隠そうと、苦しい息を抑えているとは思いもせずに、雪絵は嬉しそうに兄に話し続けた。

霧彦は時折苦しそうに膝を折り、よろけながらそれでも雪絵に悟られまいと努めて平気を装った。翔太郎にキーホルダーと風都の未来を託し、今まさに妻と共にミュージアムに立ち向かおうと決意した、あの時だ。妻を信じたい、だがその一方でもしかしたら冴子に殺されるかもしれないという覚悟もあったのだろうか。霧彦は雪絵にこう言った。

「もしも何かトラブルがあったら、風都の鳴海探偵事務所に行け。」

切ないですね。切ないです。霧彦さんは彼の大切なモノを、総て翔太郎に託して逝ったんですね。それほどまでに翔太郎を信頼していたのかと思うと泣けてきます。敵側である霧彦さんの妹であっても、翔太郎ならそんなちっぽけな壁をぶち壊して、必ず依頼人を守ってくれると。

暫く連絡がつかなくなるけど、心配するなよ…と、最期に妹に言い残して、霧彦は風都の風になった…。
施設のベンチに座り、雪絵は空を見上げて風都の風を感じた。

「竹トンボってのはな…」

聞き覚えのある声に振り向くと、子供たちと先生たちを集めて竹トンボの飛ばし方をレクチャーする翔太郎がいた。あの男はこんな所まで調べてきたのか。雪絵の表情が険しくなる。
「それ!」と一斉に飛ばした竹トンボは真っ直ぐに空へ飛んで行き、子供たちは歓声を上げた。翔太郎は空を見上げ、風都の風をめいっぱい吸い込んで呟いた。

「いい風だ…。」

よぅ…と片手を上げ、「ここ、あんた達兄妹が小さい頃過ごしたんだって?」と歩み寄ってくる翔太郎から不愉快そうに顔をそむける雪絵。

「さすがは探偵…少しは鼻が利くようね」 

とウンザリした表情を浮かべた。
雪絵がイエスタディの力を使って西山不動産の3人を襲った理由がここにある。彼女はこの場所を守りたかったのだ。雪絵は「さぁね。」と何も答えようとはしないけれど。やっぱり雪絵は『昨日』に…過去に拘っている。翔太郎がそういうと、雪絵は怒ったように立ち上がり、何も言わずに出て行った。探し物を見つけて戻ってきた先生が呼び止めても、黙って会釈をして足早行ってしまった。
茫然と見送る先生の手に握られていたのは、1枚の古ぼけた画用紙。そこにはクレヨンで丁寧に霧彦と雪絵が描かれていた。



ディガル・コーポレーションの社長室で、冴子はナスカのガイアメモリをじっと見ていた。

「それ、霧彦お兄様の?」
「別に彼の物じゃない。ガイアメモリは、我が園崎家の物。」
「でもお姉様が持っているとは思わなかった。あなたでも過去を振り返る事があるのね。」
「そんなんじゃないわ。」

霧彦の妹の登場で、冴子の胸の内に霧彦の記憶が甦ったのだろうか。一度は夫と呼んだ男への感慨か、あるいは罪の意識か…そんなしおらしい女とも思えないけれど、確かにいつもの冴子さんと様子が違います。特に「そんなんじゃないわ」には勢いがありません。冷酷で怖い女…という印象が強い冴子さんですが、堅固な鎧と氷の仮面の下は、存外普通の女なのかもしれないですねぇ。ミュージアムを自分の物にする…と言う野望も本当にそれだけが目的なのか、もしかしたらそう考えるに至ったもっと根深い要因があって、その為に園崎冴子たらんと頑張っている人だったりして。そう、例えばファザー・コンプレックスの裏返しとか。
霧彦の事も、自分で思っているよりも愛していたんじゃないかと思ってあげたい、霧彦さんの為に(笑)だって、使い物にならなくなったら捨ててしまえるゴミ程度に思ってたなら、ネーム入りのガウンを後生大事に取っておかないんじゃないかな…なんて。部屋もそのままだったし。

妄想はともかく。

若菜はそんな姉を見て、久しぶりに打ち解けた優しい笑顔になった。そこへ。

「いや、人間はなかなか昨日を捨てきれないものですよ。
 少し気になる事があります。」

井坂深紅郎が入ってきた途端、若菜から笑顔が消え、いやなこの男から逃げるように「じゃあ、私は。」と足早に部屋を出て行こうとした。

「若菜さん。身体の具合はいかがですか?
 何かあれば、またジックリ診せていただければ…。」

すれ違いざまに井坂がかけた言葉を、「ご心配なく」と跳ね付けて若菜は出て行った。じっとその様子見つめている冴子が少しいらついたように目を逸らして、「気になる事とは?」と話を戻した。

「須藤雪絵ですよ。」

冴子が複雑な表情を浮かべた。また女の話…と言う単純な嫉妬ではなさそう。力になりたい…と、手の込んだ方法で自分を売り込んできた霧彦の妹…。
須藤雪絵は体内にたまった、ガイアメモリの毒素を、イエスタディの刻印として体内に排出していた。つまり、ドライバーに頼らずともメモリの毒素に囚われる事が無いのだ。相手への攻撃と、自分の肉体への防御を一度に行う。ああいうやり方があるとはさすがの井坂も思いつかなかった事だ。

「彼女の様な人間こそ、君の部下に必要なのではないかな?
 …特に、君の崇高な目的の為には。
 心配ならもっと完璧にしてあげよう。君の素晴らしい身体を。」

「先生…。」

冴子は満足そうな笑顔を浮かべた。

この二人、恋人同士という感じではなくなってきたような…。何だろう、以前の様な纏わりつくような艶っぽさが無いですね。今回霧彦さんを登場させるにあたって、敢えて描かなかったのかな。



不機嫌そうに施設を後にした雪絵の後を追いかけて、翔太郎は声をかけた。

「俺はまだあんたの昨日を見つけてない。」

あら、あんな依頼真に受けてたの?と雪絵は小馬鹿にしたように言った。

「どんな依頼だろうと受けた依頼は最後までやり抜くのが探偵だ。」

普通だったら依頼がフェイクだったらそれがわかった時点で契約は無効になるのだろう。けれど、翔太郎は雪絵を放っておけない。彼女は本当に兄を殺したミュージアムの片棒を担ぐつもりなのか…?

「確かに…あんたの兄さんも最初はミュージアムの一員だった。 
 だけど、最期は自分の身体も顧みず、風都の若い命を守ろうとした。」

「え?」

初めて聞いた…兄が最期まで守ろうとしたモノ。雪絵は哀しそうに目を伏せた。
霧彦は本当に風都を愛していた。翔太郎も同じ気持ちだ。そして。

「あんたもそうだろう?
 でなきゃ、自分の昨日を守るような真似はしない。」

翔太郎は先生から預かってきた絵を雪絵に差出した。それは霧彦が描いた笑顔の妹と自分。
雪絵が守りたかったもの。底抜けのお人好しね…背中を向けて呟く雪絵に、翔太郎は優しい目を向けた。雪絵は思い留まってくれると、ミュージアムに手を貸したりしないと翔太郎は思ったのかもしれない。
だが。
突然、雪絵はイエスタディに変身した。驚く翔太郎に、雪絵は背中を向けたまま言った。

「そんなに昨日が好きなら、もう一度戻してあげるわよ。
 今度は二度と戻ってこられないように…!」

翔太郎はフィリップに呼び掛け、に変身した。翔太郎は攻撃しようとしない。イエスタディを必死に止めようとするだけだ。一方的に攻撃されて立木の根元に叩きつけられた。昨日に戻してあげる…と言ったのに、イエスタディはに背を向けて、刻印をつける事もせずに立ち去ろうとした。その身体に、ルナの伸びる腕が巻きついて引き戻す。

「今度逃がさないよ。(フィ)」
「じゃあ、こういうのはどう?」

イエスタディは、空に向かって無数の刻印を打ち出した。刻印はクルクルと回りながら街に降り注ぐ。このままでは街の人達がイエスタディの力に侵されて大変な事になってしまう。
はイエスタディを拘束してた腕を解き、ルナトリガーにチェンジした。必死に連射した追尾弾が刻印をすべて撃ち落とし、なんとか事なきを得たが、雪絵の姿は既にそこには無かった。



翔太郎の目の前から消えた雪絵は、園崎冴子の前にいた。ここは、冴子が霧彦と婚礼を上げた場所だ。
最初は霧彦が殺された場所でドーパントの姿の冴子と、次は結婚した場所で白い衣装を身にまとった冴子とあってるわけですね。なんだか因縁を感じますねぇ。そう、結婚式の形はとっていたけれど、あれはミュージアムに忠誠を誓う儀式でもあったわけです。だから。

「ここに来た以上は、忠誠を誓ってもらうわよ。ミュージアムとこの私にね。
 あなたの働きによっては、イエスタディより力のあるガイアメモリをあげるわ。」

冴子は艶然とした笑みを浮かべた。井坂深紅郎も姿を現して2人の間に立った。
こらこら若い娘さんの前で、何ネクタイ緩めてるんだ!と思ったら、生体コネクターを見せびらかしただけでした。一瞬「雪絵ちゃん、逃げて!!」と思っちゃった。

「でも…メモリは一人に一つじゃ…?」
「出来るのよ。井坂先生にかかれば…不可能はないわ。」

井坂の胸のいくつもの生体コネクターと、2人のゾッとするような異様な雰囲気にのまれ、雪絵は思わず後退りしそうになった。だが彼女は気丈に顔を上げ、ゆっくりと冴子に歩み寄り、にっこりと笑って握手を求めた。

「期待には応えるわ。よろしく。」

冴子が差し出された手を取ったとたん、雪絵はイエスタディ・ドーパントに変身し、握手した冴子の手にイエスタディの刻印を刻んだ!!須藤雪絵は最初から兄の敵を取るために、園崎冴子の懐深くに潜り込もうとしたのだ。目的を達成し満足げに変身を解いた雪絵は、憎々しげに冴子を睨みつけた。

「用心深いあなたに確実に刻印を撃ちこむには、
 信用させて近付くしかなかった…。まんまと騙されたわね!園崎冴子!!」

冴子の美しい顔が悔しそうに歪んだ。



翌日、昨日雪絵が刻印をばら撒いたあの風都南公園に、鳴海探偵事務所の面々が集まっていた。ルナトリガーですべて撃ち落としたつもりだが、万が一、打ち損じた刻印に侵された人がいたら大変だ。3人は手分けをして調査していたようだ。素晴らしい、無償なのに。さすが仮面ライダー達(うち一人は限定変身)。イエスタディの無差別攻撃に亜樹子は憤りを隠せない。だが、雪絵はが撃ち落とせるだけの数しかばら撒かなかった…翔太郎はそう考えている。フィリップは相棒のハーフボイルドっぷりに、呆れて横を向いた。

「やっぱり彼女がミュージアムの手先になるとは思えない。」

「やっと気が付いた?」

突然雪絵の声がした。3人が慌てて公園の階段を駆け上がると、手に血で汚れた霧彦のスカーフを持った雪絵が立っていた。

「最初っから私の狙いは復讐。」

彼女は悲しみを讃えた瞳で翔太郎を見つめ、霧彦のスカーフを掲げた。

「わからない?兄さんのスカーフ。私が婚約祝いにあげた物。
 …面白い偶然ね。この街に着いた時、出迎えてくれた…。
 まるで私に助けを求めるように…!
 私は許さない…絶対に許さない…!!
 
 兄さんを殺したあなたをね!!

最初は真実の告白かと思っていたのに、突然雪絵は何を言い出すのだ。その時フィリップが、雪絵の首筋に刻まれたイエスタディの刻印を見つけた。彼女は自らの力に囚われ、昨日の時間を繰り返している。今、彼女の目の前には姿の無い「兄を殺した敵・園崎冴子」がいるのだ。見えない敵への復讐に燃える雪絵の哀れな姿を、翔太郎は哀しげに見つめていた。 
雪絵はまんまと園崎冴子に刻印を打ち込んだらしいが、なぜかイエスタディの力が発動しなかったようだ。なぜ効かない…と焦る彼女の後ろから、ウェザーが姿を現した。

「そう…残念ながらね。冴子君には通用しなかったようだ。」 



時は昨日に遡る。

「永遠に昨日と言う監獄に囚われるがいい!!」

雪絵は冴子に刻印を撃ち込み、呪いの言葉を吐いた。だが冴子は「そんな事じゃないかと思った…」と鼻で笑った。
  
「やっぱりあなたも、兄さんと同じ愚か者ね。」

冴子はイエスタディが力を発動したのにも関わらず、平然とタブーに変身した。井坂の治療のおかげで徐々にパワーアップしているタブーの身体に、一介のドーパントの力など通用しないという事なのか。

「永遠に昨日に閉じ込められるのは、あなたの方よ。
 そして私は、やっと過去から解放される…。」

タブーの右手の甲に付けられた刻印が赤く輝く。タブーの光球に閉じ込められた刻印は、イエスタディ目がけて撃ちだされ、雪絵は自らの力で昨日に閉じ込められた。

冴子さん、霧彦さんを手に掛けてから今まで、過去に囚われていたんですかね。



あれからそろそろ24時間。自分自身の過去の記憶を食らったメモリにどんな変化が現れるか…井坂は珍しいサンプルが取れるとほくそ笑んでいる。
3人の前で、雪絵が見えない敵と戦い始めた。許さねぇ…!!翔太郎とフィリップはに変身した。しかし、怒りだけで倒せるほどウェザーは簡単な敵ではなかった。徐々に押されて、遂に木に押し付けられ喉元を締め上げられた。遠くからアクセルのメモリを翳して竜が駆けてくる。

「左!!そいつは俺の相手だ!!」

いや、どう見ても一方的にやられてますが、。何度も言うようですが、高岩さんのやられ演技が大好きです。何度も巻き戻して見ちゃう。コマ送りして見ても、本当にやられているように見えるんだから凄いです。そして段々弱っていく様が…えへへへ。CM明けでウェザーに蹴りあげられて這いつくばるトコなんかもう。

復讐に燃える者がここにも一人。
アクセルに変身した竜は、がむしゃらにウェザーに斬りかかった。しかし、やはり力の差は歴然としたモノがある。それでも憎しみだけで、折れることなく立ち向かっていく。
ウェザーが手を離したとたん地面に崩れ落ちたが、口元を拭って立ち上がった。こういう風にマスクを被っているのに、殴られた所を拭うとか、鼻血とか傷を確認するとか、埃を払うとか、人が自然に取る仕草そのままの細かい芝居は高岩さんの特徴ですよね。こういう細かさが好きなんですよねー。

ウェザー相手に苦戦している間も、イエスタディ…雪絵は見えない園崎冴子を相手に延々と戦い続けている。

「復讐…そうね、でも今はただの復讐じゃない!
 風都の為にあなたを倒すわ!それが兄の遺志だとわかったから!!」

霧彦の心は、彼女にもしっかりと受け継がれている。

「フィリップ、エクストリームだ!」
「エクストリーム?!」
「あの力なら…イエスタディの刻印を消せるんだろう?」
「しかし、いつも上手くいくとは…。」
「いくさ!いかせてみせる!でなきゃ…俺はあいつに…
 霧彦に合わせる顔が無い!!

「なるほど、君らしいね。」

エクストリームメモリがフィリップを吸いこんでの頭上を旋回する。それをグワシと掴んで(!?)ダブルドライバーにセットした。え?強制装着も可?レールは必要ないんだ。

エクストリィィィム!

プリズムビッカーは便利ですね。ビッカーシールドはスキャニング機能もあるんか。ホントに無敵ですね、エクストリーム。
ビッカーシールドでイエスタディの刻印の検索は完了した。あとはプリズムブレイクするだけだ。エクストリームはイエスタディドーパントの首のあたりを、真一文字に薙ぎ払った。大きく浮き上ったイエスタディの紋章が砕け散り、人間の姿に戻った雪絵がゆっくりと崩れ落ちる。意識を失ったその身体を抱き止め、翔太郎は彼女の名を呼び、フィリップは首筋の刻印が消えた事を確認した。翔太郎は大声で亜樹子を呼び、雪絵を託して、アクセルの加勢に向かった。

雪絵役の平田薫さん、現場で仮面ライダーにお姫様抱っこしてもらったそうですよ。マジレッド様に引き続き、なんてうらやましい。そう言えば、これまでも何人かの女優さんがお姫様抱っこ(撮影以外で)してもらったというお話を聞きますが、結構リクエストが多いんでしょうかねぇ。気持ちは判りますよ、うん。



!!いつもいつも邪魔ばかり!!」

せっかくのサンプルをに台無しにされ、ウェザーは憤慨した。「よそ見をするな!」と斬りかかるアクセルを、腹立ちまぎれに地面に叩きつけ、容赦なく蹴り付ける。

「そういう君も…いい加減目障りだね。
 復讐などと言う小さなものに拘っていると、彼女の様になるぞ
 過去を振り向くのは嫌いでね。…そろそろ終わりにしよう。」

ウェザーはボロボロになってもなお食いさがるアクセルの首っ玉を吊し上げ、火炎の力でやきつくそうとした。そこへ、エクストリームが踊り込んできて、ウェザーをぶっ飛ばし、大丈夫かとアクセルに声を掛けた。

「エクストリーム!その力見せてもらおうか!!」

ウェザーがすべてを言い終わらないうちに、エクストリームは猛然と攻撃を始めた。すごいなウェザーと対等に戦えるんだな、エクストリーム。いや、むしろ圧倒しているかもしれない。左右から繰り出すフックに痺れます!!フィリップは「はっ!!」で、翔太郎は「うぉりゃ!!」なんですね(笑)
そして翔太郎の「っは、決めるぜ?」がカッコよかった!

エクストリームのワンツーに派手にブッ飛ばされ、無様に地面を転がって行くウェザー。そして、エクストリーム・マキシマムドライブは発動しようとしている。

「待て!左!!ソイツだけは…俺がッ!!!」

アクセルが叫ぶ。しかし一度発動したマキシマムドライブは止まらない。強力な竜巻がゆっくりと弧を描き、エクストリームの身体を高く巻き上げた。

ダブルエクストリームをまともに食らったウェザーの身体は巨大な、爆炎をあげて砕け散った。そりゃあ竜は怒りますよね。復讐は自分の手で果たしたい。RPGで何日もかけてレベルアップして、準備も万端整って、さてこれからラスボス戦…と思ったら兄ちゃんに「あ、ラスボス倒しといてやったよ」と言われるような…ちょっと違うか。京極夏彦の凶器の様な分厚いミステリーを読んで、あと少しで京極堂の謎解きが…って時に、犯人はあいつだよん、実はこうだったんだよんとばらされるような…違うか。

「貴様…余計な真似を!!」
「いや、逃げられた。(フィ)」

振り向いた先にウェザーがいた。無傷のように見えたが、エクストリームの攻撃を完全に避けきる事は出来なかったようだ。思った以上のダメージを負い、ウェザーは電撃を目くらましに姿を消した。

「井坂ぁぁぁ!!!」

またしても復讐を遂げる機会を逃したアクセルは、力尽きて膝から崩れた。
変身を解いた翔太郎とフィリップは、竜をほっといて(笑)雪絵の元に走り寄った。
雪絵は意識を取り戻しボンヤリとしていたが、駆けつけてきた翔太郎を見上げ、泣きそうな目でぽつりと呟いた。

「兄さんの言う通りだった…。
 やっぱり鳴海探偵事務所を訪ねて正解だった…。」

「霧彦がそんな事を…。」

翔太郎の顔が歪む。雪絵は子供の頃に霧彦が描いたあの絵を眺め、兄さん…と、少し悲しそうに笑って呼びかけた。そのとたん、雪絵の白い喉がのけ反り…次に目を開けた時には、彼女は記憶を失っていた。
怯えた目で翔太郎達を振り返り、今初めて会ったような目で「あなた達は…?」と後退った。



【報告書・翔太郎のモノローグ】

 須藤雪絵は記憶を失くした。
 イエスタディメモリの副作用だったらしい。
 ”昨日”に囚われた彼女の復讐劇は、結局すべての過去を白紙に戻す事で
 幕を閉じる事になった。

 でも…彼女が記憶を取り戻し、罪を償った時、
 この街にも、彼女にも、もっといい風が吹く…。
 俺はそう信じたい。


事件は終わった。翔太郎のデスクには、霧彦のキーホルダーが大切そうに置かれている。報告書を書き終えて翔太郎は亜樹子のコーヒーを口に含んだ。

ぶ!

おい亜樹子!!!なんだこのコーヒー!!」

フィリップも一口飲んで顔をしかめた。ちゃんと時間を図って淹れたと口をとがらせる亜樹子。

「その時計じゃ正確な時間は計れないよ…。」 

亜樹子の(たぶん)5分計(えwww) 作ったのかw。いつ作ったんだ。手の込んだ事をw。フィリップ半笑いだし。まずいのに翔太郎もなぜ飲むかな(笑)



面白かったですね!中島かずきさんの脚本、面白かったです!公園で雪絵が独白を始めた時、「え?こんなにあっさりと白状しちゃうの?あっさりしすぎてない?なんで急にしゃべる気になったの?」と思ってしまったんですが、あの時雪絵は”昨日”の時間の中で冴子相手にしゃべっていたんですよね。すっかり私自身も、イエスタディのタイムトリックに惑わされてしまったような不思議な感覚を味わいました。やられた。
中島かずきさんが座付き作家さんをやっている劇団☆新感線のたぶん「薔薇とサムライ」かな、9月にゲキ×シネになると教えていただいたので、ちょっと楽しみにしてるんです♪

石田監督はいつも遊び過ぎてしまうと評判ですが(←!?)実は私が石田監督を好きな理由は二つあって、一つは男と男の友情とか、戦いとかそういう対峙を物凄くカッコよく演出される所、そしてもう一つは大胆な、カメラワークです。雪絵が記憶を失くした後のあの引きの画が、すごく好きです。カメラを地面に置いたようなアングル。実際置いて取ったんだろうなぁ。ああいう風に、地平を斜めに撮る構図は好みなんでしょうか。私は好みです。



さて、次週は。
竜のストーリーのようですね。そして、東映公式を見ると、井坂深紅郎の物語でもあると。
のターニングポイントになるエピソードだそうです。
なんだろう、どんな話なんだろう。
脚本が長谷川さんで、田崎監督。結構見応えがありそうな予感。

【5月11日 訂正】
9月に公開される劇団☆新感線のゲキ×シネですが、私勘違いしてまして、公開されるのは「薔薇とサムライ」ではなくて、「蛮幽鬼」でした。こちらの方もとっても面白そうなので、やっぱり楽しみです(笑)

■蛮幽鬼(舞台)
http://www.banyuki.com/stage/
関連記事
スポンサーサイト
web拍手 by FC2

第34話感想

ノラ様、おはようございます。

ダブル>
霧彦・妹は、やはりミュージアムへの復讐が目的だった。
冴子を翻弄しようと企むも、深紅郎を傍らに置く冴子の方が、役者が一枚上だった。
ガイアメモリの副作用で、記憶喪失した霧彦・妹は破滅退場。
やはりハードボイルド物には、悲惨な結末が似合っています。

次回、井坂に翻弄された照井のバージョンアップ編。

言葉足らずでしたが…。

秋には『蛮幽鬼』 の方ですね。
『薔薇とサムライ』は多分、来年になるかと。たしか『蛮幽鬼』も中島さんでしたし、どちらも面白かったですよ!
時々リバイバル的にゲキ×シネをやるようなので(今度京都でオープンの映画館でも記念にやるとか)、『五右衛門ロック』が面白かったので、観る機会があればぜひ!
ぜひとか言いながら、深くハマりませんよう。お財布がピンチになりますwww

こんばんわ、M NOMさん!

誰も命を落とした者はいなかったけれど、切ない結末でした。
翔太郎は話ストのモノローグで「彼女が記憶を取り戻し、罪を償った時」と言ってましたけど、ガイアメモリの後遺症って一時的なものなんでしょうかね。記憶を取り戻しても、雪絵はもう兄の復讐など考えないかもしれませんが、彼女の哀しみの涙は、いずれ風都を守る仮面ライダーが拭ってくれるのでしょう。

来週は竜のバージョンアップ、見れますよね。遂に!
そして、井坂深紅郎の過去も明らかになるようです。それによって、井坂という男に対する印象も変わってくるんでしょうか。
楽しみなような、コワイような。

こんばんわ、りゅうきんさん!

ああ、そちらでしたか!すみません、私の早とちりです。エントリの方はコッソリと直しておきます(笑)

劇団☆新感線の事を知ってからHPに行ってみまして、『蛮幽鬼』の舞台のサイトも見ました(^^)ゾッとするほど綺麗で面白そうです。

まずいですね。見たらハマりそうな予感も。知っちゃったからには、もう遅いですがw(^^)
非公開コメント


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

◎仮面ライダーW第34話「Yの悲劇/あにいもう...

 不破夕子の正体は冴子(生井亜実)に殺害された霧彦(君沢ユウキ)の妹・雪絵(平田薫)だった。ガイアメモリでイエスタデイ・ドーパントに変身、W(ダブル)を操って冴子を襲わ...
今日の誕生石
ほねほね時計
FC2カウンター
ノラのつぶやき
最新記事
最新コメント
イラスト置き場
ご自由にお持ちいただいて結構ですが、公の場での無断使用、転用はご遠慮くださいませ。使用したい場合は、一言お声かけください。よろしくお願いいたします。
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
Page Select
TOTAL Pages
カテゴリー
リンク
月別アーカイブ
01  12  09  08  07  06  05  04  03  01  11  02  07  03  02  08  07  01  11  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09 
プロフィール

路地裏のノラ

Author:路地裏のノラ
高岩成二さんのファンです。
仮面ライダー大好きです。
来世は絶対男に生まれ変わってJAEに入って、仮面ライダーを目指します。

検索フォーム
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング

FC2拍手ランキング
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。