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大魔神カノン 第5話

この物語は、都会で生き方を見失ったひとりの女性が
その歌声によって奇蹟を起こすまでを綴った
21世紀の寓話である…。


…って冒頭で言ってましたね。毎週毎週。
つまりは人間を守るためにオンバケが悪霊イパダダと戦いを繰り広げる…というのが主体のお話じゃないってことなんですよね。特撮雑誌なんかで特集されている記事を見て、最初は特撮色の濃い番組なのかと思ってしまってましたが。…という事は、カノンが祈り歌によってブジンサマの眠りを醒まし、悪霊・イパダダを退治する…に至るまでの紆余曲折が延々と綴られる人間ドラマ…っていう解釈でいいのかな。(何を今更)
これはカノンに共感できないと、ついて行くのがかなりシンドイかもしれませんねー。このまま心を開いたり閉じたり、前向きになったり、また沈んだりを繰り返して、徐々に自分を取り戻して行くのかな。これは人によってはかなり根気がいるかも。確かに観る人を選ぶ作品ですね。

私は、基本的には自分では何もせずにウジウジしている主人公というのは好きではないんです。悪い事はすべて周りのせいにするとか、どうせ自分は…とはなっから諦めてしまうとか。(それが特撮ヒーロー物の主人公だったりすると余計にダメなんですが)

ただ、カノンとは全く違う状況であっても、1度でも似たような人間関係の挫折を経験してしまうと、他人事ではない部分があって、それで目が離せなくなっているんだと思います。強い人間ばかりじゃないと。
この現況は上手くない…と自分で思っていても動けないもどかしさと焦り。同じ苦痛を繰り返したくないという恐怖。自分を守る事にいっぱいいっぱいで、周りを見る余裕が無くて、その事が他の誰かを傷つけたり、心を痛めさせたりしている事に気づけなかったり、気づいたら気づいたで、そんな自分が益々嫌いになったり。
一生懸命自分と戦っている人も知っているので、余計にそんな事を感じるのかも。
歓迎会の後、行きがかりで丸山の家で飲み直すことになったカノンは、親身になって心配してくれる丸山に心のうちに積もっていた思いを、泣きながら吐きだした。そんなカノンの悲しみを背中を撫でながら黙って聞いてくれた丸山。
人が人を思いやれない街…そんな思いを東京に抱き始めていたカノンにとって、丸山はようやく見つけた都会の温もりだったのかもしれない。一度口から零れ始めた哀しみはとめどなく溢れ、気がつくとカノンは丸山のベッドの上で朝を迎えていた。

ドロドロと澱のように腹の底に溜まっていた物をすべて涙と一緒に吐き出したからなのか、朝日の差し込む窓を見上げるカノンの横顔が、心なしか清々として見える。

「おはよ」

丸山は、随分前に起きていた様で、2人分の朝食を用意してくれた。丸山が言うには、昨夜あれからカノンはさらに酒缶を何本も開け、泥酔して「歌が・・ばっちゃの歌がぁぁ・・」と泣き叫んでいたらしい。丸山はカノンが酔い潰れて眠るまで付き合わされたのだろう。
山形の人ってのは酒に強いんですか?しこたま飲んでも二日酔いにならない…って事を言ってたんですよね、丸山さん。「さすが山形県人」って。
迷惑をかけた事をわびるカノンに丸山は「そんなことないよ」と明るく答える。
カノンは自分の心の内を吐き出し、丸山はそれを受け止めてくれて、これから彼女はカノンの支えとなる存在になるのかな…と思っていたんですけど、なんか変ですよね。

あまりカノンの方を見ようとしない…。
言葉は穏やかだけれど、どこかそっけない響きがするなという感じ。
小さなテーブルに並べられた朝食を口に運びながら、丸山はぼそりと呟いた。

「少女マンガの主人公みたいにピュアだよね。巫崎さんって。
 素直で正直で、人を疑うって事を知らなくて。」

それは決して誉め言葉じゃないですよね。先週まで丸山はカノンの目を見て話していたのに、こんなに近くで向き合っているのにニコリともせず、一度も目を上げてカノンを見ようとしない。言葉だけ見るとカノンの美点を並べている様なのに、その裏には「面倒臭い子」「深く付き合うのは厄介な子」…と言ったニュアンスが見え隠れしている様な気がしてなりません。「素直で正直で、人を疑うって事を知らないピュアな人」というのは、美徳ではあるけど、度が過ぎると鼻につく…って事はあります。正直、出来ればこれ以上は関わりたくない…と思い始めたのかも>丸山さん。

カノンはそれを微妙に感じ取ったのか、箸を持ったまま微かに顔を曇らせた。自分が正しい事と信じてきた生き方が、ここではそんな風に受け取られるのだ。そう育てられてきたのだから、それが自分の中では当たり前の事なのに。
2人の距離が遠くなった…そう感じました。

カノンの携帯が鳴った。電話の相手は学校の同級生、深津かなめだった。彼女は一方的に「巫崎さん、ヤバいよ、ヤバすぎるよ」とだけ告げ、用件も言わずに今日は絶対に学校に来て…と電話を切ってしまった。
どうしたの?…丸山の問いに、カノンはなんでもありませんと答えた。

昨夜あんなに胸の中の思いを吐露したというのに、カノンは素面になるとやっぱり自分の事を離せないんでしょうか。それとも、丸山が取った微妙な距離感がそうさせたのか…。
でも、一瞬カノンは何か言いたげに顔を上げて丸山を見ましたよね。何を言いたかったのか、または言ったのか。


 
だいちゃんでは。

開店前の準備をしながら、オンバケとオタキ婆は深刻そうだ。
イパダダが二晩続けて出現した。少なくともこれまでの記録にはない事らしい。イパダダは長い歴史の時々に現れて、その度にオンバケ達とブジンサマがそれを退治してきたのだろう。オタキ婆に言われてサワモリが広げた巻き物には過去の記録が記され、一緒にいつの戦いの時の物か、イパダダの遺髪●●とも言うべき銀髪が細い紐で束ねられていた。
それはただの資料というにはあまりにも忌まわしい物。オタキ婆は非常事態と見て、これをオンバケ達に見せた。ハシタカは表情を強張らせて、朝食を済ませたらすぐにでも見回りに行こう…と提案した。


イパダダは、生き物の魂を食らっているから、一回食ったら数日は姿を潜めているのが普通なのかもしれない。ゆらゆらと黒い陽炎の様な姿は、依代が無いと実体が持てないけれど、そうやって捕食と潜伏を繰り返して、徐々に実体を持ち、やがて巨大化した姿へと成長していくのかな。消化して自分の身体に取り込むには時間がかかる…みたいな感じで。
そう言えば、今週の幸太郎の部屋に逆さまに現れたイパダダ、先週よりも輪郭が…姿がハッキリとしてきたような気がする。このままのペースで捕食を続けて、やがて実体化して依代が必要でなくなった時、幸太郎は一体どうなるんでしょうね…。やっぱり喰われてしまうんでしょうか…。怖いなぁ。



今回のイパダダは強敵な上に、祈り歌の巫女の娘も歌を歌う事を嫌っている。山形の地でジュウゾウはブジンサマの岩を見上げてひとりごちた。

「なぁ…ブジンサマ、今度のイパダダは総統手強いらしい。
 最悪の事態も考えられる。
 なんとか目覚めてくださらんかのぉ…!」

しかしブジン岩は黙して何も語らない。が、ブジン岩の肩のあたりから可愛らしい声がする。ジュウゾウが目を凝らして見ると、ブチンコによく似た姿のオンバケがチョコンと顔を出した。

タマッコは女の子のオンバケなんですかねぇ。「はわはわ~」とふんわりおっとりした雰囲気を持っています。それにしてもブチンコと言いタマッコと言い、素焼きの埴輪の様な姿をしているのに、意外と丈夫ですね。岩肌を転がっても、どこからか落っこちても割れない。

「すべてはタイヘイにかかっておる」

ジュウゾウの話を「はわはわ」と相槌を打ちながら一生懸命聞くタマッコが可愛いっすね。



一方ブチンコは、主のいないカノンの部屋でのんきにテレビを見て大笑いしてます。その時、呼び鈴が鳴った。ブチンコは慌ててリモコンに飛び乗りテレビを消すと、テレビの後ろに隠れた。
だけどこの落ち着きのない呼び鈴の鳴らし方は、もしや。
ピンポンピンポンとなっていた音がふと途切れ、留守かと諦めて帰ったかと思った瞬間、ドアの前で呼びかける男の声がした。やっぱりタイヘイだ。でっかい声で自己紹介まで始めた。ブチンコは慌てて玄関横の窓から飛び出すと、タイヘイの口を塞いだ。

いつもの隣のお兄さんとタイヘイの睨みあい(?)の間が面白かったです(笑)

仕方ないから近くの公園でカノンの帰りを待つ2人。やがてアパートに向かって歩くカノンの姿を見つけ、タイヘイは慌てて追いかけて声をかけた。馴れ馴れしく寄って来たみょうちくりんな格好の男に、あからさまな不信感と拒絶を見せるカノン。(そりゃそうだ)

「なぁ、教えてけろ?なぁんでこないだいきなり泣き出したんだ?」

タイヘイの問いに足を止め、キッとタイヘイをじっと見つめた後、カノンはふっと視線を頭上の木に移す。タイヘイも釣られて上を見上げた。その隙をついて、カノンは脱兎のごとく駈け出した。慌てて後を追うタイヘイ。

アパートのドアを挟んで「もう来ないで!警察呼びますよ!」「んなこと言わないで」と押し問答をしていると、お隣のいつもの強面お兄さんが息を切らして慌てて飛び出して来た。そちらに気を取られている間にカノンはバタンと扉を閉めてしまった。こういうハッキリと怪しい奴に対しては、カノンもキッパリと物を言う事が出来るんですね。

このお兄さんは一体何なんだ(笑)最初は隣の玄関前ででかい声で騒ぐタイヘイ達がうるさいから出てきたのかと思ってましたけど、もしかしたら強面の割にはいい人なのかも(笑)
最近、お隣に住んでいるひとり暮らしの若い娘さんちの前を、不審な人物がしょっちゅううろついている。これは物騒だ、何かあったら大変だから出来るだけ警戒して見張っていてあげよう、そして万が一の時は直ぐに飛び出して行って守ってやらなきゃ…みたいな。
カノンは「東京ここでは誰もが人が人の事を思ってない気がして…」なんて泣いてましたけど、意外な所で意外な人が優しい気持ちで見守ってくれているかもしれないんだよ~なんて考えたら、なんだか人間って満更でもないって気になりますよね。



とにかく大学に行くのなら、引越しの後、段ボールに入れて仕舞ったまんまになっていたテキストやノートを出さなきゃならない。ようやく荷をほどいたカノンは、幸太郎と付き合っていた時の落書きを見つけた。講義を聞きながら、他愛もない筆談を交わした幸せな日々。カノンはそのページを破り取ると、くしゃくしゃと丸めて捨ててしまった。
そんなカノンの様子を、ブチンコはカバンの陰からずっと見ていた。



まあるい金魚鉢の使い方がとっても好きです。それに光りの使い方がとっても印象的。
カノンに拒否られてがっくりと帰還したタイヘイのシルエットが、まあるい金魚鉢に逆さに映っている。どうして彼女はあんなの嫌がるのか…タイヘイはだいぶ凹んでいます。音楽祭のチケットも渡す事が出来なかったとしょんぼりしてますが、昨夜、偶然彼女の手に1枚舞い込んだなんてことは知る由もなく。

それにしてもオタキさん、琴風って。がぶり寄りが得意な力士だったかな。現役時代はおじいちゃんと一緒に相撲を見ていたかもしれない…。私は貴乃花(お父さんの方です)の粘り腰が好きだった。貴乃花の取り組みが始まると、手になぜか線香を持って、祈るような気持ちで応援してました(笑) 輪島との取り組みは燃えたなぁ。
あと千代の富士も、力士なのにあの見事に均整のとれた引き締まった筋肉質の体は素晴らしかった!何より柔らかい股関節!あの四股は本当に見惚れましたねぇ…めちゃくちゃ強かったし。カノンのレビューで相撲を語ってどうする。ああ、そう言えば千代の富士は琴風が苦手なんだとおじいちゃんが言ってたような。おお!奇跡的に話が戻った!

「なれない相手との立ち合いがわかってないんだよあんたは。」 

オタキ婆さんに言われて凹むタイヘイ。別にタイヘイを慰めようとかとういうつもりは更々なさそうですが、どこから持ってきたのか、イケチヨがウクレレをかき鳴らして歌い始めます。

 ゆらゆらゆれてる  若い二人のランデヴー    
 ふらふら不思議ね  風にまかせて Fly Away


まあるい金魚鉢に映ったイケチヨが、本物の金魚みたいで素敵です。
すっかり聞き惚れるタイヘイとトモスケ。

歌ってのは思いを響かせるもの…。タイヘイは何か閃いたようです。



大学でカノンを待ちかまえていた深津かなめは、色々あってカノンが0℃を辞めた事は知らないようです。けれどカノンはそれを否定も訂正もせずに、かなめが言っていた「ヤバい事」がなんなのかと話を逸らします。
カノンが連れて行かれたのは掲示板。そこにはゼミの教授からの呼び出し状が貼ってあった。

   【呼び出し】
古典文学文化演習Ⅰ(佐川ゼミ)
日本文学学科2年生 巫崎カノン

七週連続無断欠席とは どういうつもりか!返答せよ。

佐川教授、結局出てきませんでしたが、私がもしこの大学に通ってたら、なんとなくこの教授好きになりそうな予感がする(笑) 素敵だ、呼び出し文。
これは落とすと大変。4年になるまで取り直せなくて、下手すれば卒業も危ない…。かなめに脅かされて、「ちゃんと謝れば許してもらえるらしいから」と言われ、カノンはとにかく教授の所に謝りに行った。

幸い教授には許してもらえて、カノンは素直に「深津さんのおかげで」と礼を言った。ところが。

「じゃあ、悪いけど、これ」

かなめは手に持っていたファイルをカノンの手に押し付けた。出席日数が足りなくなった講義の代返を頼んで来たのだ。お願いできるかな…という謙虚な物ではない。助けてやったんだからこれくらい当然、と言わんばかりの半ば強制だった。

「困った時はお互い様でしょ?」

深津はさっさとその場を立ち去ろうとする。カノンは困惑し、思い切ってかなめの背中に声をかけた。

「ずるいよ!」

はぁ?という顔でかなめが振り返る。

「代返って…ズルでしょ?
 そう言うのに協力するのって…なんか、抵抗あるっていうか…。
 悪いけど…。」

ちゃんと自分の思った事を言えるじゃないか、カノン!もしかしたら、丸山に色々聞いてもらって、わかってもらえたという思いが、カノンにほんの少しの勇気と自信を与えてくれたのかな。タイヘイにもバシッと言ってたし。
カノンの言葉に、かなめは怒りだすかと思いきや、「そうだよね、いけないよね」と反省したように目を伏せた。そして、どうしても行かなきゃならない用がある…実は祖母が病気で…と言いだした。だから、ごめんね。かなめはクルリと踵を返して行ってしまった。

結局断り損ねたカノンは、放り出すわけにもいかずに、仕方なくかなめの代返をやる羽目になってしまった。
3限目と4限目の講義の代返をしていたらバイトに入るのが遅れてしまう。カノンは丸山に電話をかけた。今日は同じチームの鳩岡が休みだから、終わり次第早めに入るという事で了承してもらった。携帯を片手にため息をつくカノン。



0℃の練習に、幸太郎は遅れてやって来た。手には『TO THE TOP』のお祝いに事務所から貰ってきたという20万円の酒が握られ、幸太郎は上機嫌だった。他のメンバーたちは、幸太郎の遅刻…というか俺様ぶりに慣れているのか、特に気にも留める様子もなく、高価な酒に歓声を上げる。だが、カノンの後に入ったサキは、不満そうに幸太郎を睨んだ。「浮かれるのはまだ早い。2曲目がヒットしたら」とその手から酒を取り上げた。
白けて不満そうな幸太郎に、サキはハッキリと言った。

「一発屋じゃ、ヤでしょ?」

他のメンバーは結構ハラハラしながらこのやり取りを聞いてたでしょうねー。「うわ、言っちゃったよー」みたいな。偉そうな事ばかり言って、自分の才能に酔いしれている幸太郎に対して、サキは段々不信感を募らせているのかな。『TO THE TOP』は素晴らしい歌だけど、それ以降の幸太郎の作る曲は、どれもどこかで聞いた事のあるものばかり。それを指摘をすれば不機嫌になって、取りつく島もない。

サキはいい子ですね。真っ直ぐで、正直で。



自分が取っていない講義を、馬鹿正直に真面目に聴講しているカノンを、怪訝な顔で見つめひそひそと囁き交わす生徒がいる。確か巫崎さんはこの講義を取っていないはず。
講義が終わり、教室の扉から数人の生徒たちが吐き出されて行く。カノンもようやく任務を終えてホッとしたように教室を出た。先ほどの生徒二人が思いきったようにカノンに声をかけてきた。

「巫崎さん、この講義、ホントは取ってないよね?
 もしかして…深津さんに頼まれた?」

驚き戸惑うカノン。
深津はカノンにしてのと同じ手を使っては、色んな友達に代返を頼み、自分はカレシと遊びまわっているというのだ。もちろん「おばあちゃんが具合悪い」というのも嘘。 

「気をつけた方がいいよ、あの子。」
「巫崎さん良い人だから、目をつけられちゃったんだよ。」

深津には良くない噂もあるのだという。
彼女らは以前に、かなめから同じ目にあわされていて、それでピンと来てカノンに忠告してくれたのだった。

「素直に信じちゃダメだから。」

騙され、利用されたという衝撃にカノンは言葉を失った。目の前の2人が、それ程面識のないカノンに思い切って忠告してくれたのだという事に対する感謝の気持ちよりも、また他人に裏切られたというショックの方が大きいようだ。幸太郎に利用され裏切られた出来事が、トラウマとなっているのかもしれない。

「あ…ありがとう…。」

素直に人を信じるという事も、この街では”隙を見せる”という事になる。素直に信じたらいけない…。カノンはまたひとつ、道を見失った。



タイヘイはギターケースを抱えたトモスケを伴って、カノンの大学までやってきた。タイヘイが思いついた妙案は、カノンの前で歌って、気持ちを心に響かせる事だった。
オンバケの歌にはなにか不思議な癒しの力が宿っているんでしょうかね。
大学の構内で歌い始めた2人の周りには人だかりが出来て、あまり上手いとも思えないタイヘイの歌に酔いしれています。トモスケはギター上手ですねー。
ゆらゆら~というあの歌、イケチヨ姐さんが歌うとふんわりして素敵でしたが、歌詞とかメロディがタイヘイにはミスマッチな気がする(笑)

一曲歌い終えたタイヘイに、ひとりの女性が『TO THE TOP』をリクエストしてきた。そんな歌は知らないというタイヘイに聞かせてくれたその曲は、だいぶ手を加えられてはいるが、確かにあの祈り歌ではないか。
偶然…というかタイヘイの歌を聞いて遠巻きに様子を伺っていたカノンが、携帯から流れるその曲を聞いて顔を強張らせる。
その時、タイヘイがカノンに気づいた。カノンは慌ててその場を逃げて行った。

タイヘイすっかり大学の生徒の人気者ですね。みんな口々にタイヘイさんタイヘイさん言ってますね。歌う前にまたおっきな声で自己紹介したんでしょうか。



さっきも書きましたが、イパダダが段々ハッキリした形になってきている気がする。
幸太郎に憑依したイパダダは、3日連続で現れたって事になりますね。しかも真昼間に。橋の下の薄暗い場所で眠っている蝙蝠を握り潰し、その魂を喰らうイパダダ。



タイヘイから逃げてるってのもあるのでしょうが、多分バイトに急いでるんですね、カノン。細い路地の四つ辻で、横合いから走ってきた自転車と接触しそうになって、カノンは派手に転んでしまった。
頭の上から降って来たのは「どこ見てんだよ!」というイライラした言葉…。「大丈夫ですか」という一言もない。カノンは走り去る自転車を、唇を噛みしめて見送った。



息せき切って、転んだ膝から血を流したまま、カノンはバイト先のレストランに駆け込んだ。

「おはようございます!」

そう挨拶するカノンを、丸山は意外そうに見つめた。今日は遅れても入る…そう電話で伝えた筈なのに、同じチームの阿部は「あれぇ?来たんだ。大丈夫だったのに」思いもよらなかった事を言う。
奥を見ると、見覚えのない女性が働いている。彼女は前に一緒だった中川という人らしい。今は別のシフトに移ってしまったが、臨時で入ってもらったのだ…と丸山はばつが悪そうに言った。バタバタしていて連絡するのを忘れた…だからごめんね…。それは、今日は帰っていいよという意味だ。

丸山はそれっきりカノンを振り返る事もなく、自分の仕事に戻って行った。
忙しいのに、いつ来るかわからないカノンを待っているより、確実にキープできる中川を入れたという事は、当然と言えば当然の事なのだけれど。
苦手…と思っている相手には、なんとなく連絡し難いってものあるかななんて思ってしまいました。ちょっとね。やな事気の進まない事って、なんとなく先延ばししちゃうなんてことありませんか。

みんな忙しく立ち働き始め、カノンを気にする者は誰もいない。今この場に、カノンの居場所はないのだ。今カノンを必要とする者も、ここにはいない。

厨房の隅で、膝から流れる血を拭い、カノンはため息をついた。
哀しみの色さえ見えない、諦めきったような暗い目をしたカノン…。



深津かなめの嘘。丸山のよそよそしい態度。
ああ、まずいな、またカノンが心を閉ざしてしまう…と思っていたらこの瞳。もう一度人の温もりを信じよう…そう思った矢先だっただけに、その絶望は深いと思います。二度と人を信じない。そう思っても無理はない。でも…所々にまだ見えないけど、まだまんざら捨てたもんじゃない人間もいるのに。サキとか隣のお兄さんとか。それに人じゃないけど、オンバケ達。
早くカノンの心が溶けて、また屈託のない笑顔を見せてくれる日が来ればいいのに。
幸太郎と付き合っている時のカノンは、本当に明るくて活発そうな女の子でしたもんね。本来の彼女はあの姿なんだと思いたい。

今回ですね、カノンの心の動きに呼応するように、反射する強い光が演出されていましたよね。象徴的で面白いなと思いました。

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今回もちょっと暗かったです

イパダダの異常が気になりますね。響鬼のときは「今年は魔化魍が多い・・・」という風呂敷が広げられつつも尻すぼみだったけど、こういうところはないがしろにしてはダメです。物語がはじまって、終わるための動機の部分ですから。
人の負の心はいやでも発生するのものだと考えると、イパダダを退治するオンバケ達は処理業みたいになりますね。とても頭が下がります。

>紆余曲折が延々と綴られる人間ドラマ
エヴァンゲリオンが社会現象のように取り上げられていた時期(97年あたり)、やはり視聴者の意見が割れてました。
「なぜ若者の心をつかむのか」みたいな見出しを付けられることから解るように、キャラクターに共感できれば謎の多い物語でもはまってしまうものなんでしょう。反面、共感できなければ「理解出来ないことの不愉快さ」はあると思います。かっこいい戦闘シーンやお色気シーンなどは、そのへんをカバーするためのものですね。大魔神カノンも、後に再放送されて認知度が上がるようになれば同じになる素養があります。(そのためには、もっとツカミがほしいところですけど。)

ここまで現実をシミュレーションした脚本を見せられると、よほどがんばって抵抗しないと、みんな「都会人」になってしまうことを思い知らされます。自分を保てる、抵抗できる強さを教えてくれるお話になるといいですよね。今の暗い展開だと、たとえば野島伸司さんの脚本ならばもっと鬱なほうにエスカレートさせていくでしょう。高寺プロデュースには、常に「救い」があるのが基本であり鉄板です。でなければ観てませんよ。

「TO THE TOP」のなりたちを知ったら、タイヘイはどうするでしょう?ちょっと興味ありありです。

こんにちわ、syn_syn さん!

そう言われてみれば、響鬼での「魔化魍の異常発生」について、一体何が原因だったのか、曖昧なまま終わってしまいましたっけ。仮面ライダーという体裁で作られた番組だから、そういう設定も組みこまれたのでしょうが、終わってみれば明日夢君という少年の成長ドラマが主体になってましたよね。結局高寺プロデューサーが描きたいのは、そういう一個の人間の丹念な心の成長あるいは人生観の変化といったものなのかもしれませんね。ここからここまでに至るまでの葛藤とか苦悩とか、そして如何にしてこうなったか・・みたいな。
私は、そういうドラマは決して嫌いではないです。

私は直接エヴァンゲリオンを見た事が無いんですが、そういった賛否の声は様々なメディアで目にする機会が、確かに一時期多かったですね。結局この作品も、主人公やほかの登場人物に共感できるか否かという事が評価を二分する重要な要素だったんですね。賛否いずれにしても、事あるごとに論議が交わされて、結果、こういう作品が様々に分析され解釈されたという事は、それだけ深いテーマを持った作品であったという風にも考えられますよね。
カノンはどんな作品になって行くんでしょう。

>よほどがんばって抵抗しないと、みんな「都会人」になってしまうことを思い知らされます。

本当にそうですよね。カノンのようにピュアな心の前に立つと、自分はあのおばあちゃんを突き飛ばした男だとか、カノンを利用しようとした深津かなめだとか、そういう「カノン」の中に描かれる「都会人」の要素が、どこかしら自分の中にある様で、後ろめたさを感じる事があります。綺麗事ばかりで生きられないのは都会も、田舎も同じでしょうけれど…出来るだけ抵抗したいですね。



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路地裏のノラ

Author:路地裏のノラ
高岩成二さんのファンです。
仮面ライダー大好きです。
来世は絶対男に生まれ変わってJAEに入って、仮面ライダーを目指します。

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